静謐すぎるイエロー

「みつを」は、俗に言う「最後の人類」だった。


20XX年、第三次世界大戦の勃発により、地球は核の炎に包まれた。

軍事ロボットが戦闘に使われ、人類は絶滅を迎えた。


その数十年後、ロボット達による人工授精の研究で生み出されたのがみつをだった。


彼は、いつも独りだった。

感情の無いロボットに囲まれながらも、人間らしさを失わないみつをの「感情」にロボット達は興味を抱いた。


みつをの身体を使って様々な人体実験が行われ、「感情」についてのプログラムが完成した。


しかし、「感情」を組み込まれたロボット達は皆、元々搭載されていた「理性」のプログラムとの整合性が取れず、大きく赤い文字で『error』を表示した。


思考の型を二つも持つなんて。

人間というものは、なんて不完全な生き物なんだ。

ロボット達はみつをを嘲笑した。


みつをは、つぶやく。

だって人間だもの。だって、人間だもの。

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