よりどりみどりないろどり
ブラッド・キット
限りなく透明に近い青
泣いた。
涙が止まらなかった。
視界が青色になっていくように感じる。
こんな時間に泣くとは思わなかった。
でも、泣いていた。
深夜二時。バイト終わりの空き腹を満たす為に、一人で料理をしていた。
何故、どうして、涙が止まらないのだろう。
新しい生活。
仲良くなり始めの友達。
退屈な授業。
ようやく慣れた電車の乗り換え。
少し減った体重。
今は懐かしい想い人。
都会の空にも星が見えるほどの綺麗な夜。
重ねれば、何でも理由にはなるだろう。
けれども、わざわざ答えを出す必要もない気がした。
食べ終わったら、寝てしまおう。
朝になったら泣いていたことさえ、きっと忘れてしまうだろうから。
おやすみ。ボウヤ。
泣きたい夜もあるさ。
この小説を美しく終わらせる為に、その時僕が切っていたのは玉ねぎだったという事実は、言わないでおこう。
おやすみなさい。
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