第4話 最低評価

 気づいたら車の中にいた。 窓から外を見ると欧風な建物がずらっと並んでいる。

「やっと気が付いたね、 私そんなに本気で殴ってないんだけどね」



 俺は彼女のペチャを触ったことで殴られて意識が飛んでいた。

「いやー痛かった痛かった! ま! ボヨンで殴られた方が数十倍痛いけどね!」



 彼女はなにも言わず指をさして説明をする。

「今向かっているところはあそこだよ、 たくさん建物が建っているとこ」



 俺はできれば発展していないところがいい、 今見えている街はおそらく大都会だ。

「ペチャ先生質問があります! 今向かっている街は田舎ですか? 都会ですか?」



 その質問の意味がわからないのか少し間があく。

「その田舎や都会? がわからないけどこの辺では結構栄えているところだよ......あっあと次ペチャって言ったらどうなるかわかるよね?」



 俺はすぐに言う。

「あれでしょ? 次ペチャって言えばその胸でぶってくれるんでしょ?」

「......わかってるよね?」



 彼女はこちらを振り向く、 その顔は悪魔みたいな顔だった、 とても恐怖心が湧いたので謝った。

「すみません! わかっています!」



 そして再び前を向く。 周りを見渡すと最初見た時よりも建物が増えていた。

「もうすぐつくよ......あと言い忘れてたね、 私の名前はスカレ、 あなたは?」

(名前は可愛いんだけど、 胸がな......)

「俺の名前は五十嵐 凛よろしく! ぺ......スカレさん!」

(あぶねえ言いかけた!)

「五十嵐 凛って珍しい名前だねリンって名前はいるけど五十嵐は聞いたことないなーどこから来たの?」

「日本で自宅警備をしていた」

(日本って言ってもわからないだろ? 自宅警備って言っても何かわからないだろ!)



「日本は何かわからないけど、 あなたニートなのね」

(なんで分かるんだよおおおおおおお、 とあるアニメでは自宅警備って言っても伝わらなかったぞ!)

「自宅警備はちゃんとした仕事だぞ!」



  彼女は呆れた様子話を続ける。

「はいはい、 とりあえずそろそろ着くよ」



 先ほどよりも車が通っている、 人も多い魔法使いみたいな人やドワーフみたいな人、 日本では見られない種族の人がたくさんだ。


---


「着いたよ」



 彼女がそろそろ着くと言ってから二分で着いた。

「ここはどこだ? あの向かいにある教会みたいなところはなんだ?」



 日本では見られない建物がいっぱいだ。

(異世界転生してよかったああああああああああああ)



 スカレは俺のことを変な顔で見ていた。

「なんでニヤついているの? 気持ちわるいですよ」

(うるせえ! お前の胸の方が気持ち悪いわ! このペチャめ!)

 


 俺の心の声が聞こえたのか拳を作る。 俺はすぐさま謝った。

「えっとここは自分の能力を測れるところだよ」

(そうだった! いやーすっかり忘れてたよーま! どうせ最強だし! やらなくてもいいんだけどね!)



 とうとう心の声が漏れてしまった。

「最強だし!」

 

 

 彼女は口を押せて笑いをこらえる。

「いやいや! 最強なんてありえないよ、 私の予想は平均くらいだと思うよ」

(このペチャやろう俺のことをバカにしているな? なんせ俺は異世界から来たんだぞ?)



 俺は教会に入る前彼女に向かって言う。

「スカレ! 俺は最強だからな! ここから出て来たらお前のことバカにしてやる!」



 そういい俺は教会に入る。 あまりに大声でそこを歩いていた人から注目された。

 スカレは一度車に戻ると、 とうとう笑いが我慢できなくて吹いてしまう。

「あははは、 あの人面白い!」


---


 そして俺は教会に入った。


「すごいなー教会みたいなところに俺入っちゃったぞ、 しかもカウンターにいるお姉さんボヨンだし! 最高だな!」



 そしてアナウンスが流れる。

【能力検査をする方は三番にお越しください】



 俺はそのアナウンスを聞き三番のカウンターに向かう。

「三番三番......あれか」

 誰もそこに並んでいなかったのですぐ検査をすることになった。


 三番の椅子に座りお姉さんに挨拶をする。

「こんにちわ......やっべええ!」



 俺はお姉さんを見て興奮してしまった。

「ボヨンだ! ボヨン!」

 俺はスカレとか言うペチャの胸ばっか見ていたが異世界にきて初めてボヨンの人を見て興奮してしまった。 その



 お姉さんは顔を赤くしながら進行する。

「あ、 はい......では今から検査をしますので一度お座りください」



 あまりにも興奮してしまい席を立ってしまっていた。 それから俺はお姉さんのボヨンをずっと見ている。

「......あまり見られるとやりづらいです」



 そう言われても俺は見続ける。

「何もしないので大丈夫です」

 そして話が進む。

「では今からこちらの機械に身体を入れてください」



 俺はまた興奮してしまう。

「機械に入れるよりお姉さんとやりたいな!」



 そのことを気にせずに下から機械を取り出す。

「ではお願いします」

 そう言われて機械を渡された、 俺は渋々身体を機械に通した。

 するとカウンターにあるパソコンが反応した。 それと同時に合図が出た。

「大丈夫ですよ」



 そう言われたので機械をお姉さんに返す。

「お姉さん、 俺おそらく能力最強なんで驚かないでくださいよ」



 そういいお姉さんはパソコンを見ると何かに気づき固まった。 俺はお姉さんが固まっているのを見て思った。

「ほらね! 言った通り!」



 そしてお姉さんは再び動き出し、 パソコンを俺に見せつける。 お姉さんは少し言いにくそうに俺に言った。

「私ここに務めて四年になりますがこれは初めてです」



 パソコンの画面には能力が書かれていた。

「Z、 Z、 Z、 Z、 Z」

 俺はそれを見てもなんとも思わなかった。

「だろ? すごいだろ? 俺の言った通り! Zが最強なんだろ?」

 一瞬間が空いたが再び話し出す。

「言いづらいのですが、 Zは最低評価です」

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異世界転生したら最強になれると思ったのに実際は平凡以下でした @ru1RurU

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