第3話お前の胸はまな板だ!
俺はドアの奥に見える光に向かって進む。
「眩しいな」
眩しさのあまりに半目になりながら歩いた。 すると着いたのだろうかユリナが振り返る。
{着きましたよ............ここがとりあえず転生されたものが来る場所。 ここの主人には話を済ましているので少しお待ちよ}
そういいユリナは真っ白な空に飛んで行った。
「ちょ! おい! ユリナ様! ............行っちゃった......俺の彼女になる予定だったのにいい......とほほ」
そんなことを言っている間に向かいから誰かが歩いてきている。
[コツ...コツ...コツ]
俺はその音に気づいてじっと見る。
(おっと! これはもしかして! 女神様がお迎えに来たのか?)
アニメでは転生された後女神や天使によって導かれるのだ。 しっかりと勉強していてよかった! すると音が聞こえる方の逆の方から話しかけられた。
「あなたがサイコパス野郎ですか?」
聞こえて来た方と逆の方から話しかけて来たせいで俺は驚いた。
「え......はい!」
俺はそう返事し振り返った。
「サイコパスや......」
顔を見るや否や俺は驚いて後ずさりをする。
「ええええええええええ、 くっそ! 俺の勉強不足だった」
そう俺のことをお迎えに来たのは天使でも女神でもなくおばあさんなのだ。
「できれば天使か女神が良かった!」
首をかしげる。
「でわ、 これから街に転送します」
俺が思っていたのはボヨンの女神か天使そしてどちらかをお持ち帰りでこれから旅に出る、 なのに......なのに! おばあさんだなんて......お持ち帰りなんでできないぞ! 熟女好きだと思われるの嫌だし! だが一つだけプラスポイントがある、 おばあさんは恐らく80くらいだろう、 そのくらいの歳になれば会話が成立しないことが多い、 だがこのおばあさんは違う流暢に話せて会話が成立する!
「あっはい! お願いします! あできれば発展してるとこよりあまり発展していないところ、 そしてボヨンで可愛い人がいるところでおねしゃす!」
そして転送の準備が始まる。 俺の下には魔法陣が引かれている。
「でわこれから普通かつ平和に過ごしてください」
そういい魔法陣が発動し俺は宙に浮いた。
「うぉおおおお! すんげーなアニメの主人公みたいだ!」
俺はここでまた忘れ物をしたことを気づく。
「あっ! やべ! マリ抱いてない!」
そうここに来て待っている時にマリを地面に置いてそれっきりなのだ。
「おばあさん! そこのマリを......」
俺は見てはいけないのを見てしまった気がした。 下を見るとおばあさんがスッポンポンになってムキムキになっていたのだ。 俺の声に気づき俺の方を見て[ニコ]っと笑った。 その瞬間真っ白のところから真っ暗になった。
「うそだろおおおおおおおおおおおおお」
---
俺はおばあさんが笑った後の記憶はない気づいたら道のど真ん中にいた。
「マリ! マリ! ............ああああ忘れて来たんだった!」
俺は肩を落とした。
「あぁユリナ様もマリもいない状態でこれから楽しめんのか? 一応発展途中のところとボヨンで可愛い人っていう条件は伝えたがここはどこだ?」
そう考えているうちにまたそこからの記憶がない。
---
「おーい! 起きてー!」
誰かが呼んでいるのを気づき目がさめる。 目を開けた途端俺は興奮してしまった。
「ええええええ、 あっあのあのあっあの」
そう言いつつ身体全体を見る。 髪を見て顔を見て首を見て胸を......
「ペチャじゃねえかよ!」
そういい立ち上がり胸を指しながら言う。
「俺はボヨンがいいんだよ! ボヨンじゃなきゃ生きていけない!」
きっと彼女は思っているだろう変な奴だと。
「あっとええとごめんね!」
いきなり謝られた。
「君のことをやっちゃって」
「いえいえ! 全然全然ヤっちゃっていいですよ! まだやりますか? やりますよね? いやーここに来てよかった! でしたら準備を!」
彼女の頭上にはハテナが出ている。
「なんの話かわかりませんが私はあなたのことを轢き殺しちゃったって言うことです」
その言葉で俺の興奮は一瞬で収まった。
「あは、 あはははは......言葉って難しいですね!」
彼女の話がまだ続く。
「運転中の私の前にあなたがいきなりやってきて、 その時の様子は完全に異常者でした、 いきなりだったので避けることが出来ずひいちゃいました。 一応蘇生はしましたので! 大丈夫です!」
俺がマリを忘れて肩を落としていた後にそんなことがあったのか。 すると再び彼女が質問して来た。
「えっとあなたは今どこに向かおうとしているんですか?」
そんなことを言われてもまずここが異世界っていうのはわかるがここがどこなのかはわからない。 だがどこに向かうのかはもう決まっている!
「ボヨンで可愛い人がいるところです! あなたでもいいのですがあなたはペチャなので残念ながら......」
胸を触りながら返答をする。
(よしよし! アニメとかなら強烈なビンタがくる!)
それを期待していたが彼女はサッと立ち上がった。
「なるほどアーバル拘置所に行けばいいのですか?」
(拘置所だと! 俺は何も悪いことしてないぞ!)
「なんでだよ! 俺何もしてないぞ!」
そう言いながら立ち上がった彼女のペチャを触る。
「胸を触らないでください! 何もしてないなど言わせないですよ?」
それに俺も反論する。
「胸を触るなだと! 俺は胸なんか触っていない! まな板を触っているのさ」
彼女の顔が真っ赤になり右手で拳を作り俺に殴りかかって来た。
「拳よりボヨンの胸で殴られてえええええ」
そして再び意識が飛んだ。
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