07どうもこうも私は運が無いらしい。

現在、私は唖然としている。

廃坑を歩いていたら穴があったので、覗いてみたらその穴はおそらくこのダンジョンのボスであろう竜っぽい何かの部屋の天井につながっていた。早い話、私はボス部屋の真上にいた。


そしてボスと戦ってるのは数時間前に見つけた件の冒険者パーティー。

ついでに言うと何人か死んでいる。

というか全滅寸前。

鎧を着た奴2人だったモノは、恐らく竜の吐いた熱線によって胴体と頭を消し炭にされて即死。魔法使いらしき二人だったモノは一人虫のように潰され、一人頭を吹き飛ばされ、頭だったのは壁にこびり付いている。1人は踏み潰され、一人は何らかしらの方法で頭を吹き飛ばされたと思われる。

生きてるのは鎧着てる奴2人と魔法使いらしきエルフ1人と件の獣耳1人と言うところか。

あ、エルフが逃げた。恐らく助けを呼びにいくのだろう。だが、ボスが見逃すわけ無く、熱線で頭部と胴を消し炭にされ、残った腕、下半身が落ちる。熱線吐くのか、恐ろしいな。

残された鎧着てる奴も奮戦するが、そろそろ限界だろう。

私は助けには行こうとしなかった。

理由は2つある。

1つ目、このまま助けに入っても自分ごと全滅。

2つ目、倒せたとしても今度は自分が襲われる。

そういうモノを除いても助けに行くつもりは無かった。

そう、無かったのだ。



逃げる。一瞬で吹き飛ばしてやると言ったエルフの魔法使いは頭を吹き飛ばされた。

もう一人の人種の魔法使いも踏みつぶされた。

剣兵の二人も熱線で御陀仏だ。

生き残ったもう一人のエルフの魔法使いが助けを呼びに行ったが、そいつももう死んだ。

遂に、剣兵と槍兵が死んだ。

次はあたしの番だろう。

ああ、よく考えたらろくでもない人生だった。

死を覚悟した瞬間、天井から落ちてくる人影が見えた。

次の瞬間には爆発が起こって、私は意識を失った。





あの獣耳が襲われかけたとき、私の体は既に動いていた。飛び降りて、私は各20本の噴進槍と飛翔爆雷を呼び出す。既に魔力は流されており、推進器が始動し、竜に向かって飛んでいく。

全て竜に直撃するが、殆ど効果はない。

だが、判ったことが一つだけある。飛翔爆雷によってもぎ取られた翼から出血していない。

恐らくゴーレムの類だろう。

とりあえず着地する。相手は既に熱線の準備をしている。

発射される前に気絶して倒れてる獣耳を回収。

直後に熱線が吐き出される。避けれたは良いが、あと数センチずれてたら死んでいた。

さて…

「どうやってあの装甲を突破するかねぇ…」

どれだけの硬さを持つかわからぬ装甲を持つ竜型のゴーレムに、今抱えている獣耳。

さて、本当にどうしようか。


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