05 あった方が便利だし面白いし何よりカッコいいじゃん
洞窟の中を熊が歩いている。ふつうの熊と違って岩のような甲殻が生えている。見た目通り頑丈だ。
その熊に狙いをつける。
手に持った獲物を構える。
手にした獲物は槍とも似ても似つかない外見だった。
先端には円錐の底面を先端としてつけて、底面には三本の棘。
ちょっとの魔力を流した後、私はそれを熊目掛けて投擲した。暫く、それは投擲された勢いで飛んでいたが、柄の尻側から火のようなモノが噴き出す。
それを推進力として飛び、熊に当たり、爆発した。
煙が晴れたときには熊の頭は陰すらなく、断面は炭化していた。
「成功だ。」
私はそう呟いた。
さて、刺突爆雷というモノをご存知だろうか。刺突爆雷というのは、旧日本軍で使われた対戦車兵器もとい特攻兵器の一つだ。それに推進機能を追加したのが、この飛翔爆雷だ。
魔力を流すことによって一定時間後、柄の尻側に取り付けられたら推進器が起動、それを推進力として飛んでいくという代物だ。だが、欠点は魔力を流さないとただの刺突爆雷に過ぎなくなること、そして誘導機能が無い。
言ってしまえば投げるロケットである。
『飛翔爆雷』
刺突爆雷をモデルとして設計した使い捨て武器。
手に持ったままでも使え、槍投げの要領で投げて使う事もできる。
柄の尻に付いた推進装置で投擲後もある程度跳び続ける。
でも追尾機能は付いてないのでミサイルというよりかはロケットに近い。
希少性5
今回使った素材はこうだ。
柄、形成炸薬弾頭の外装、棘…『剛石』(錬成4)
推進器外装…『指向石』(錬成2)
推進器内部…『出力石』(錬成4)
柄内部の推進器用魔力蓄積装置…『蓄積鉱石』(錬成2)
形成炸薬弾頭内部火薬…『爆石』(錬成10)
因みに、新しく使用した素材はこんな感じだ。
『爆石』
衝撃を与えると爆発する石。これの純度が高い素材が『爆破石』に当たる。
希少性2
本来ならば爆破石を使用する予定だったが、一本作るのにコストが高すぎるのと、使い捨てになるので出来るだけ安価に押さえたかったのが使用しなかった理由だ。
ついでに、他の熊も見つけたので、飛翔爆雷を投擲する。
爆雷は熊の左腕を根こそぎ吹き飛ばしたが、熊はまだ生きていた。
火球を形成して、それを撃ってきた。
よける暇もなく、直撃する。
唯熱いだけで、火傷はない。
私は『空間』から別の道具を取り出す。
飛翔爆雷と似ているが、これは先に形成炸薬弾がついておらず、普通の槍と同じだ。
それを投げる。
その槍は熊の脳天を貫いた。
熊が倒れる。
「おもっきし食らっちまった…」
どれくらいHPが減ったか確かめる。
『宿木 柊』
LV35
HP 170/190
MP 220/220
攻撃 45
防御 380
俊敏 41
積載 360
職業:不明
種族:読み込み不可
称号:異世界人 転移失敗者 野生児 石工職人
所持スキル
『脳内辞書LV2』『暗視LV2』『採掘術LV45』『石工LV70』『槍術LV10』『悪食LV110』『空間術LV1』
装備
『学ラン』『補強されたピッケル』『スニーカー』『剛石製槍』『手回しドリル』『試作型40mm単発式銃』
以外とHPが減っていた。以前に物理攻撃を受けたことがあるが、その時のHPの減少量は少なかった。
『防御数値について』
受けたダメージ量が防御数値を下回った場合、その攻撃は無効化される。
魔法系の攻撃は防御数値を無視してHPに影響する。
魔法系の攻撃には特殊な防具によって魔法系の攻撃への防御数値を上げれる。
成る程、魔法は防御が効かないのか。だが、今後の戦い方の参考にはなった。
ふと、後ろに気配がする。
振り向いた先、数十m先に岩が人の形をとったようなものがいた。
「試してみるか。」
そう、岩のヤツはゴーレムである。
以前、戦ったときには飛翔爆雷5本消費しないと勝てなかった。
ゴーレムは動力源兼頭脳であるコアを破壊しない限り、動き続ける。
だが裏を返せば、コアさえ潰せば倒せる。
以前、コアを引っこ抜く用の手袋を作った時に証明されている。
私は頭にある装置を着け、ゴーレムに接近する。
そしてある武器を『空間』から呼び出す。
それは槍と銃を組み合わせたような形だった。
先端は銃口になっており、下部にはブレードが付いている。
それをゴーレムに突き刺す。
そして、杖に取り付けられたスイッチを押す。
ゴーレムの胴が吹っ飛び、頭と下半身、腕部が散らばる。
それを起こした武器は、今回もう一つ作ったモノである『銃槍』だ。あるゲームのモノを参考にして作ったが、強度上の問題から単発式になっている。だが、火力、軽さ、振り回しやすさ、耐久性は折り紙付き。
もう一つは『魔力感知HMD』。
魔力の濃さが分かる装備だ。
ゴーレムのコアは常時魔力を発生し続けている。
早い話、コレを使うとコアが何処にあるか解る。
だが、欠点もある。それはリロードの速度と、弾のコストが高い事と、コアを壊してしまうことだ。
コアは現在の自分の技術じゃ作れない。そもそも半永久的に魔力を生み出し続けられるのである。自分で生み出した魔力を糧にそれを増やし、それを使って発動機を動かし魔力を生み出す、という風に。
だが、どう言うわけかここのゴーレムは無限に湧き出るようだ。どこかに生産施設でもあるのだろう。
因みに銃槍、魔力感知HMDはこのようなモノである。
試作型単発式銃槍
別世界に由来する武器。だが、強度上の問題で単発式になっている。
刺す、切る、撃つ、殴る、という多彩な攻撃方法を取れる。
希少性10
銃槍本体…『剛石』(錬成30)
ブレード…『剛石』(錬成29)
杖…『衝殺石』(錬成30)『剛石』(錬成30)
機関部…『剛石』(錬成30)
魔力感知HMD
これを通してモノを見るとそのモノの魔力がどこから発生しているかだけでなく、その魔力の質、属性が視覚的にわかる。
尚、装備しても裸眼の状態の視覚が確保される。
希少性9
視覚部『透過石』(錬成25)(付与『反魔石』『魔光石』)
外装『剛石』(錬成35)
頭部固定用ベルト『剛石布』
そして新しい素材。
『透過石』
良く透き通った石。ガラスの代用によく使われる。
希少性2
『反魔石』
魔力に反応して色が変わるが、魔力の質や量や密度の度合いで変化する色が変わる。
希少性4
まさか『付与』でこんな代物が作れるとは思わなかった。
これでゴーレム戦や、対生物戦で非常に有利になる。
ゴーレムならコアの場所が分かるし、生物なら魔力の反応が検出される。付けていればすぐに見つけて、逃げるか戦うかを早く選択できる。
そして、近いうちに人間も検知できる事が判ることになる。と、言っても嫌な経験を以て、だけど。
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