12.キミのことが大好きなんだよ
「で、どーするよ?」
「……何?」
「それ外してたら、少年は意識ないんだろ? それなら、答えは俺たちが伝えないとだろう? 外さないとしたら、何か対策を立てる必要もあるしな。どうするんだ?」
「…
「だから言っただろう? 連絡がない以上、無事だけど連絡の取れない状態かこれを折ることもできない状態になってるかだって。悪いが、俺にはそれ以上は判らない」
無責任と言えば無責任な言いようだが、
巽が持つのは、乳白色をした
これが巽の友人が新開発に
巽はそれを、折る回数を決めて通信機に代用したのだ。
「ぐだぐだ考えたって、なるようにしかならんさ」
「だからってタツ兄はいい加減すぎ」
巽が
もはや、紅茶のにおいはほとんど打ち消されてしまっている。
「そりゃタツ兄は、その人たちを信頼してるからいいだろうけど、幸は全く知らないんだよ。不安にもなるってものだ」
「そう言うカズは、心配してないみたいだけど?」
「してないってことはない。相手が大掛かりで鬱陶しそうなのは判ってるし。でもボクは、タツ兄のつてならまあ大丈夫かなと、うっかり思い込んでしまうくらいの素地はあるんだよ。立ち位置が違う」
「それなら、カズの信頼してる俺の信用してるやつらが
「詐欺師みたいな口調になってるよ、タツ兄」
そいつは
唐突に、幸が盛大に息を吐いた。何事かと、和希が思わず注視する。
「お前たちを見てると、馬鹿らしくなってくる」
「…褒め言葉ではなさそうだなあ、それって」
あまりにも
「もう少し、考えさせてくれ。とりあえず、あいつらが来たら――これは外すから」
浅葱は、幸が自分で外すのは
浅葱の覚醒を
ただどちらにしても、自分の言葉では
だが、そこで諦めるつもりもない。
「幸、覚えておいて。ボクは、キミのことが大好きなんだよ」
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