第42話 判断ミス

ムニスが蒼天の民を説得、解放。

囚われていた人々を手分けして送り届け。

ムニスはとりあえず牢屋にて待機と決まった。


翌日。

ラックルから緊急に集まって欲しいと連絡が有り、エルフの集落の砦で待機。


イファナがごろごろ喉を鳴らし、背中にひっついて甘えてくる。

頭とか、別の場所とかを撫でる。


ムニスが微笑を浮かべ、再度口づけしてくる。

ムニスは前側からもたれ掛かっている。

もう片方の手でムニスの背中とか別の場所を撫でる。


ミトルスは、ちょこんと、控えに腕にもたれ掛かっている。

また今度メインで相手するね。


ガチャッ


扉を開け、ラックルが飛び込んでくる。


「リョータ、みんな、ごめん。僕の判断ミスだ。牢屋に行ったらもぬけの殻で、ムニスが──」


そこまで言って、固まる。


ムニスがすっくと立ち上がると、俺のもう片方の横に座り、


「拙者がどうしたのじゃ?」


きょとん、と小首を傾げる。


「えっと・・・ごめん、状況が分からない」


ラックルが膝をつく。


いや、別に超展開では無いと思うけど。


「何でムニスが此処に居るのかな?」


ラックルが尋ねると、


「主様に甘えておったからじゃな」


ムニスが照れながら答える。


「主って・・・?どういう関係に?」


ラックルが尋ね、


「主様が作る予定のハーレムの第三席に入れて貰ったのじゃ」


ムニスが微笑みながら答える。


「主ってリョータの事だよね!ハーレム作らないよ?!作るの?!というか第三席って何?!第二席と第一席は誰!というか、キミ昨日は敵意全開だったよね、何でデレてるの?!そもそも、狼人族は気まぐれ種族、主従関係から一番遠いよね!主様って何!」


ムニスが関心して言う。


「むう、リーンは肺活量が凄いのぅ。良く一息に言えるな」


俺が頷いて言う。


「ああ、ツッコミでラックルに勝てる者は居ない。ラックルとは本当に話していて飽きないし、最高の相方だと思っている」


ラックルは嬉しそうに、


「最高の相方・・・なんだ」


俺が頷きながら、


「ああ、最高の──親友だ」


「親友・・・」


ラックルが再び頭を垂れる。

嫌なの?!


「王女様、おかけになって下さい


ミトルスが席にラックルを座らせる。


「ああ、有難う」


ラックルが席に座り・・・


「って、質問に答えて無いよね?!」


再び叫ぶ。

あ。


「とりあえず、昨日の夜、イファナがムニスを連れてきてね。話しているうちに、相談され・・・」


そこまで言ったところで、ラックルが半眼で尋ねる。


「まさか、キミ、また騙されて無いだろうね?」


今度は大丈夫。


「大丈夫だよ。狼人族の風習、異性に負けた場合はその異性に絶対服従しないといけないとか。後は、奴隷時代の薬物や呪術の後遺症や、発情期が重なって酷い状態になってるとか。そのあたりの話を聞いてね」


その割に、経験無かったみたいだけど。

再生したのだろうか。

ラックルががしっと肩を掴むと、


「キミ、また騙されているからね?狼人族は負けたら撤退、勝つまで挑戦するのが普通だし。類人族に発情期は無いから、騙されないで。薬物や呪術は完治出来るよ・・・その、経験的には癖づいて・・・完全に後遺症が無いとは言えないけど」


発情期無いのかあ。


「と言うか、キミ、異種族魅了の固有スキルとか持ってないだろうね?もっと気をつけて欲しい。ムニスも王族なので、手を出したら大変な事になるよ??」


何処までセーフなのだろう?

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