第27話 王女様には内緒だよ

「そう言えば・・・キミのスキルって、どんなスキルなの?あれから研究とか進んだ?差し支えなければ教えて欲しい」


ラックルが尋ねる。

色欲増魔デウスブーストの事かな?

確かに、ラックルには知っておいてもらった方が良いのだろうな。


「女性と性的な行為をすると、チャージが貯まる。チャージを消費して、魔法の威力を飛躍させる。チャージは3回までストック可能。1回ずつ消費するか、全て消費するか、選べる」


「・・・うん、以前聞いた通りだね。上限は増えてないんだ」


ラックルが頷く。


「チャージは威力が異なり、より性的興奮が強い場合や、俺の相手に対する好意や、相手の俺に対する好意の程度により、強いチャージとなるようだ。相手の保有魔力やスキルが影響するかは分からない」


「・・・なるほど・・・」


ラックルが更に頷く。


「娼館で一晩中楽しんだ時より、ミトルスと小一時間楽しんだ時の方が強かった。どちらかと言うと感情の強さの方が影響が大きいのかもしれない。知り合いとした方が強い・・・やはりハーレムが重要だな」


「待って、今キミ何と言ったの?」


ラックルが不意に低く、抑えた様な声になり、背後に闇のオーラが見える。

いきなりどうした。


「・・・感情の強さが重要、という話がどうかしたか?」


実は魔王のスキルに似てるとかそんな理由が?


「違う。その・・・ミトルスと?」


ん?


「ああ、時々誘われるんだ。奴隷の時の後遺症なのだろうか?時々ガス抜きが必要らしい。この前も、王女様の事で相談に乗ってもらった後でね」


「・・・へえ」


ラックルが唸る様に言う。

・・・仲間に手を出したのを怒っているのだろうか?

同意の上ですよ?


あ。


「ラックル、今のは王女様には内緒にして欲しい。王女様には言わないで欲しいと言われていたんだった」


「ん、了解だよ。『言わない』よ」


『言わない』の部分に妙なニュアンスを込めつつ言うラックル。

まさか文章で伝える気じゃ・・・


あまり言いふらす事では無かったよね。

今度あった時、王女に伝わってたらミトルスに謝らないと。


スキルの説明を続ける。


「後は、3回チャージされた状態で更に性的行為を行うと、結果が最弱のチャージを上回る場合、押し出されて入れ替わる」


「ふーん・・・そうなんだ」


不意に、ラックルが近づいてきて・・・ちょ?!


「どう?」


ラックルが頬に口付けした後、離れ、小首を傾げて尋ねる。

どう、じゃないよ。


・・・って、チャージが押し出された?!


「ちょ、何でチャージされたの?!と言うか、強い!」


娼館で一晩楽しんだ時が2万前後。

まさか軽く頬に口付けしただけでそれを上回る3万になるとは・・・

そもそも異性じゃないよね?


ちなみに、ミトルスとのお楽しみは20万近い。

大切にとってある。

王女様はキスとハグだけで数十万行くから別格だ。


「ふむ。無事チャージされたようだね。これからは僕がチャージするから、女遊びしなくて大丈夫だよ」


スキルか・・・ラックルの固有スキルか・・・!

恐るべし。

と言うか、君は同性にキスして何も思わないのか。

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