第4話 羊が一匹
「・・・や、違う、固有スキルの関連で必要なんだ」
「・・・成る程。また変わったスキルのようだね。まあ、固有スキルは大抵変わっているのだけど」
ラックルが溜息をつく。
「裏町等の安い所は利用しない方が良い。冒険者ギルドと提携している所にすれば、病気等のチェックがしっかりしているから、そっちの方が良いよ。勿論、キミ自身が何かもっているなら、それは治療してからじゃないと叩き出されるけどね」
成る程。
「まずはお金を貯めて、それからだな。その時はラックルも一緒にどうだ?」
「・・・僕は女性には不自由していないのでね」
イケメンだもんなあ。
これ転移って不利じゃね?
しかもエルフって長寿、人間って短寿命なんじゃ。
「色々有り難う。この御礼はきっと何時かするよ」
「キミが次に会うときまで、死んだり奴隷落ちしたりせずに居るのが、一番の御礼だよ」
ラックルが付け加える。
「それと・・・この辺りは街道ではあるけど、敵が強い。街の周りだと、兵士や冒険者が掃除しているから、まだ安全だ。レベル上げはそちらでした方が良いよ」
カエルはやばかった。
「有り難う」
そう言って、ラックルと別れた。
--
コウッ
光の槍が手から生み出され、切り株を貫く。
これで全種、か。
「やっぱりどの魔法も格好良いなあ・・・全部育ててみたいけど・・・」
名前:リョータ
種族:人間
レベル:1
職業:無し
ステータス:
筋力:C
体力:C
敏捷:C
器用:C
魔力:C
幸運:C
固有スキル:
鑑定F
異世界言語理解F
スキル:
魔力操作B
剣術C
魔法適正:
攻撃魔法C
補助魔法C
回復魔法Z
属性適正:
火C
水C
風C
地C
光C
闇C
殆ど変わっていない。
魔力操作が少し上がったくらいか。
弱い敵なら倒せるんじゃないかな?
魔物を倒さないとレベルが上がらない気がする。
あれは・・・
ゴブリン
レベル:1
強さ:弱い
弱いらしい。
ゴウッ
火の玉を飛ばし、ゴブリンを奇襲。
そのまま焼き尽くす。
魔法って便利だな。
剣と両刀使いとか考えていたけど、魔法一本に絞った方が良さそうだ。
炎の玉を常に幾つか周囲に浮かせつつ、ゴブリンを見つけては飛ばす。
コトリ
何か落ちた。
ゴブリンの魔石
純度:悪い
魔力:少ない
価値:低い
安物のようだ。
でもまあ拾っておく。
空間収納とか欲しいなあ・・・
空間収納のイメージ・・・イメージ・・・
無理っぽい。
ポケットがちょっとだけ広くなった。
--
夕方まで狩りをして、街へと向かう。
結構さくさく上がるので、意外と楽しい。
この世界も悪くないな。
・・・でもまあ、奴隷狩りとか、騙しとかには気をつけないと。
宿屋で寝てたら、朝になったら奴隷にされてるとかないんだろうか。
名前:リョータ
種族:人間
レベル:12
職業:無し
ステータス:
筋力:C
体力:C
敏捷:C
器用:C
魔力:B
幸運:C
固有スキル:
鑑定E
異世界言語理解F
スキル:
魔力操作A
剣術C
魔法適正:
攻撃魔法B
補助魔法C
回復魔法Z
属性適正:
火A
水C
風C
地C
光C
闇C
「すみません、ギルドに登録したいんですけど」
「おや、すまないね。今日はもう締め切ってしまったのだよ」
ギルドの受付がおっさんだ。
ここはお姉さんで、そこからフラグが建つとかじゃないのか。
「では、買い取りってして頂けるのでしょうか?」
「それは構わないよ。何を売る?」
ポケットから魔石を幾つか、バックパックからゴブリン産の武器っぽいのを出す。
「結構あるね・・・21,323Gだね」
1Gが1円なのだろうか。
だとしたら結構良い稼ぎじゃないだろうか。
「有り難うございます」
ギルドで娼館の紹介もしてくれるらしいし・・・宿屋も紹介して貰った方が良いのかな?
「後、この街に来たのは今日が初めてなんです。宿屋や食事処等、紹介して貰えないでしょうか?」
「それだったら、ギルド員なら此処の上を貸すことも出来るし・・・後は、裏手のミーリルさんの所は此処と提携しているよ」
「分かりました、ではそちらに行きます」
ギルドの紹介なら、寝ている間に何かされたりしないだろう。
多分。
就寝。
火のイメージ、とか言ってたな。
火・・・火・・・火・・・つじ・・・が1匹・・・
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