第14話カッコつけた死に方
燃え続けるスライムから動くものが見える。俺は何かの見間違いかと思い、目を擦ってまた見てみるが見間違いではない何かが動いている!
「おい!アレン気を付けろこのスライムまだ倒せてないぞ!」
「そんなっ!?馬鹿な!」
俺とアレンは武器を構えて燃え続けるスライムを見た。
すると、無数の何かがスライムから出てきたその大きさは小さいが数が多い約10体はいる。そして、その何かの正体がわかったあれはさっきミニドラゴンが倒したはずのスライムの姿をしていた。
「あれなんだ?あのミニチュアサイズのスライムは!」
俺は地面を這う小さなスライムを指差した。
その小さなスライムたちはうろうろしていた。
「不味いよあれは分裂だ!スライムは命の危機を感じると自分の身体を分裂させて逃げるんだそして、分裂したスライムたちは融合していってやがて……」
何かを言いかけたアレンはスライムたちを見て震えて怯えていた。小さいなスライムたちは同じスライムを見つけると身体を押し付け合ってくっついて少し大きくなったそれを繰り返してどんどん大きくなり、やがて約1メートル程の大きさになった。
「嘘だろ復活しやがった……」
目の前には嘲笑うようにスライムが俺達を見ていた。
おいおい、どうすりゃあ良いんだよ復活するなんて聞いてないぞ!だが策はあるアレンがまたあのミニドラゴンを呼び出してくれれば倒せる!今度は小さいからもっと早く終わるはずだ!
「アレン!またあのドラゴンをコールしろ!」
だがアレンはゆっくりと首を振って、
「残念だけどまたコールしてもあのドラゴンは魔力切れをしているから無駄だよ」
アレンはそう言って、スライムに槍を構えた。もう俺達に出来る事なんて悪足掻きぐらいだ最後ぐらいカッコよく死にたいが俺はカッコ悪く足掻いて死ぬ!でも、
「おい!アレン!」
俺の前に出たアレンは俺の声に振り向いた。
「僕に何か用か?」
「別にたいした用じゃないただ……最後ぐらい俺にカッコつけさせろ!」
俺はアレンのローブの襟首を掴んで、後ろに投げ飛ばした。軽いアレンは俺の力でも飛んでいき地面に身体を打ち付けた。強引なやり方だがこうでもしないとあいつは後ろに下がらない
「クロ!いきなりなにするんだ痛いじゃないか!」
「お前は黙って逃げろ!」
「そんなこと出来るわけないだろ!」
「思えばよ、俺はお前に助けられてばかりだったな」
俺は昨日の事を振り返った。
俺はアレンが居なかったら今もボッチで途方に暮れていただろうもしかしたらあの二人組みたいなやつらに殺されていたかもしれないでも俺はアレンのおかげでここまで楽しくやっていけたその恩返しが出来る方法はひとつしか思いつかない
「だからよぉ俺にお前を助けさせろよ!カッコ悪いまま死にたくねぇんだよ!」
「で、でも…」
「お前は逃げれば良いんだよ大丈夫だ心配すんな早く行けよ…」
俺はスライムに向かって走った。
後ろを振り返るとアレンが泣きながら俺の言った通りふらつきながらも走って逃げていたそれで良いんだよやっと俺の言うこと聞いてくれたなありがとよこれで俺の死は犬死にじゃなくなる。
向かってくる俺にスライムは大きな口を近付けて俺を食おうとしてきただが俺はそれを避けて、スライムの背後に立った。
やっぱり、所詮はスライムだ食うことしか考えていないようなやつに黙って食われるなんてまっぴらだ。
「俺はそんなにおとなしい奴じゃないんだよ!」
俺は持っていた木の棒を投げ捨てて、両手をスライムの背中に突っ込んだ。両腕は肘くらいまでめり込んだスライムの酸で少しヒリヒリする。
俺はわざわざ食われるために突っ込んだんじゃないちゃんと策はあるさでも少し無理があるかな下手したら両腕がなくなっちまうからよぉ
俺はおもいきり力を入れてスライムを持ち上げようとしたさっきより小さくなったんだ俺だって頑張れば持ち上げられるスライムはゆっくりと浮いてきた。
そして、俺は力を振り絞ってスライムを地面に叩きつけたでもこれで倒せるわけはないだがその叩きつけた地面がただの地面ならな俺がスライムを叩きつけた地面はいまだに燃え続けるミニドラゴンが燃やした地面だった。
「俺をなめんなよこのヘドロ野郎!やるときはやるんだよ俺はぁぁぁぁぁ!」
スライムを燃え続ける地面に押し付けて俺は言った。スライムはその炎でだんだん溶けていった俺だって炎が近いせいでかなり熱いでもこれしか思い付かなかった持ち上げられなかったらそのまま消化されるだけだったが上手くいった。
やがて、燃え続けていた炎は消えて、溶けて液状になったスライムから俺は両腕を引き抜いた。ドロドロのスライムの粘液がついていて気持ち悪いし、スライムの酸で服の袖が溶けてしまいボロボロの半袖姿になってしまった。なんかすげぇカッコ悪いな
今回はなんとか上手くいったがもうあまり無茶はしたくないもんだスライムを倒した俺はアレンを追いかけるためアレンが走っていった方向に走った。俺はこれでやっと一人守る事が出来たぜ!!
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます