第13話 ドラゴンの実力

少し説明をすると、召喚士!それは別の世界からモンスターなどを呼び出して戦わせる職業だ。呼び出したモンスターの特性は大きく分けて三種類ある。




まずは、高い攻撃力や攻撃魔力で戦う戦闘タイプのモンスター、回復や支援を得意とする支援タイプのモンスター、最後はその二つのどれにも属さないタイプそれを特異タイプと呼ぶ。




この特異タイプとは俺のように異世界召喚されたような者の事だ。別の世界から呼び出すのだから俺がいた世界からも呼び出せるらしいそのせいで俺がいた世界から来た動物や人などもこの世界にはいる。




召喚士自身も一度呼び出してみないと何が出てくるかなんて分からないなのでこれはいわゆる賭けになる。




だがどうやらアレンはその賭けに負けたようだ。




「おい!アレン!カッコつけといてこれはないだろ!」




俺は胸を張って自慢気にしているアレンを見ながらミニドラゴンに指を差して怒鳴った。あんな小さなドラゴンに2メートル程あるスライムが倒せるわけがない絶対に俺達と一緒に食われてしまうアレンはただスライムの食料を増やしただけだ。




「うるせぇぞ!テメェー!俺を侮るんじゃねぇ!」




ミニドラゴンの低くて渋い声で怒鳴られて俺はビビった。


なんだよこいつ喋るのかよしかも可愛らしい見た目なのにめちゃくちゃ合ってない声してるなでも、なんだか頼りになる感じの声だすごく安心する。ドラゴンの声を聞くとなぜか心が落ち着く心配なんて要らないのかもしれないな




「よし!やっちまえ!ドラゴン!」




俺は親指を上にして、握った手を前に突きだして言った。こいつならきっとやってくれる!見た目は小さいが強力な力があるに違いないと俺はワクワクさせてドラゴンを見ていた。




「うるせぇ!俺に命令すんじゃねぇ!」




俺はまたドラゴンに怒鳴られた。


それもそうだろう召喚されたモンスターは召喚した奴の言うことしか聞かないのだ俺に命令されても何もしてくれるはずはない




「じゃあ、アレン命令よろしくっ!」




「任せな!僕とこいつであのスライムやっつけてやるよ!」




アレンは嬉しそうに笑い、向かってくるスライムを見た。きっと頼りにされたのが嬉しかったのだろういつも方向音痴でどこかに行ってしまうアレンの姿は今はない今のアレンの姿は仲間を守ってくれるとても頼りがいがある姿だった。




アレンは槍をスライムに向けて、




「行くよ!ドラゴン!あのスライムを倒すんだ!」




ドラゴンに命令した。すると、




「俺は誰の命令聞かねぇ!俺はただ暴れに来たんだよ!もうなんでも良いんだよとりあえずあのスライム殺った後はお前らな!」




「「えっ?」」




俺とアレンはキョトンとした顔をして、同時に気が抜けたような声を出した。




駄目だぁ~このドラゴンきっとあれだ命令聞かずに突っ込んで行って自分がやりたいようにやって暴れるようなバーサーカータイプの性格だわぁ~




「なあ、アレンもう一匹呼び出してくれないか?あれは駄目だわだってひとりで突っ込んでるもん」




アレンが呼び出したドラゴンは真っ直ぐスライムの方に飛んでいった。




「僕はまだあいつしか呼び出せないよ」




「そうか……もうあいつが勝手にやるみたいだし戦わずに見てるか?」




「そうだね」




俺とアレンは戦うのを止めて、その場に腰を下ろして座った。


草が生い茂っており、とても座りやすい地面でくつろげるなんだか寝転がったら寝れそうだ。




「ゲッヒャッハッハッハッハッ!逃げろ!逃げろ!逃げろ!無駄だけどなすぐに溶かしてやるぜ!」




さっきまで俺達を追っていたスライムはドラゴンにビビり、追う側から追われる側になっていた。ドラゴンは口から火を吹きながら空を飛んで追いかけているまるで激辛料理でも食べたみたいに火を吹いている。俺もドラゴン倒せばあれできるかな?




「おい、アレンおまえ女なんだからあぐらは止めろよ」




俺はあぐらをかくアレンを注意した。


こいつはただでさえ男勝りなところがあるとはいえあぐらまでするとは少しずつでも良いからそういうところ直して欲しいなそうすりゃあ普通の美少女なのに




「うるさいなぁ別に良いだろ」




アレンは座り方を変えずに嫌そうに顔をしかめて言った。


おまえには関係ないだろ的な感じだでも関係はある俺の理想のためだ。




「ヒャッハァァァァ!溶けてるぜ!こいつ最高だぜ!」




俺達が他愛もない会話をしている内に頭のメーターがぶっ飛んでいるバーサーカードラゴンは笑いながら、スライムをドロドロに溶かしているた元々原形を止めていなかったのにそれが進行していき、もうスライムは液体のようになっていた。




「終わったみたいだな」




「次は僕達の番だね逃げようか?」




「そうだなああ、でもその必要はないみたいだな」




俺は目を細めて、ドラゴンを見ていた。


なぜかドラゴンはぶっ倒れていたどうかしたのか?さすがに騒ぎすぎて疲れたか?




俺はアレンを連れて、ドラゴンの方に向かった。


すると、赤かったドラゴンの身体は真っ白になってぐったりと横になって寝転がっていた。




「俺はもう燃え尽きたぜ……。」




ドラゴンは弱々しい声を出して、白目を剥いている。


あれだけ火を吹いていたから魔力切れでも起こしたのだろう




「アレン、戻してやれよなんか死にそうだぞこいつ」




「分かったよお疲れ様」




アレンはまた槍の柄を地面に突き刺して、白く光る魔法陣を出現させてドラゴンを帰した。




あのドラゴンはかなり魔力を使ったらしくさっきのスライムは液体状になりながらも燃え続けていた。




すると、その中から何かが動くのが見えた。

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