第10話貧相な装備
穏やかな朝日に当てられて俺は目を覚ました。
もしかしたら今までのが夢だったかもしれないと思いながら目を開けるとそこには見知らぬ天井があった。
見渡すと木の板で出来た壁があり、俺は今にも壊れてしまいそうなボロボロのベットで寝ていた。体を起こしても不思議と昨晩二人組に蹴られた痛みはなかった。あばら骨が折れているように感じたのだが触っても痛みは全くないどうゆうことだ?そして、ここはどこだ?
そう思っていると部屋のドアがギィィィっと嫌な音を立てて開いた。ドアを開けたのは聖職者の黒いローブに身を包んだ大人っぽくて色気のある美人で巨乳のシスターだった。シスターは俺に優しく微笑んで俺を見たそして、俺はそのシスターを見て、
「すいません、仲間になってください」
と言った。
俺はここがどこだとかなぜ傷が治っているのかとかアレンはどこにいるとかではなくそのシスター仲間として勧誘した。
理由はもちろん俺の異世界ハーレム生活を築くためだ。
このシスターはとても美人だし、優しそうな性格をしていそうだそれがその表情からにじみ出ていた。
「まあ、どうしましょう?私の治癒魔法では頭の中までは治せないのですが」
シスターは口に手を当てて俺に哀れみの目を向けてきた。
シスターが向けてきたその冷たい視線になぜか俺は喜びを感じてしまった。
「なぜ俺は喜んでいるんだ?まさかこれは新事実発覚だぜ俺はマゾだったのか!嘘だろ!シスターの冷たい視線に興奮しているのか俺は!」
頭を抱えてぶつぶつ言っている俺にシスターの冷たい視線は止まらない冷静になれ俺、落ち着け俺、まずは深呼吸だ。
俺はなんとか落ち着きを取り戻そうと深呼吸をしてシスターを見て、
「もしかして、貴女が俺を治してくれたんですか?」
落ち着きを取り戻した俺はシスターに問いかけた。
するとシスターはニコリと笑って頷いた。
女性慣れしていない俺にとって若くて美人なシスターはとても破壊力がある。もう俺、冒険者辞めてこのシスターと働こうかな?という気持ちにまでなっていた。
訳が分からないまま異世界に送られて、マイナー職のモンスタースキラーなんてふざけた職業として冒険をするよりはよっぽどこのシスターと教会とかで働いている方が幸せに思える。
「あ、ありがとうございます。シスター、あのぉよろしければ俺をここで働らか・・・・・」
そう言おうとした瞬間またドアが開く音がした。
ドアを開けたのは昨日までのゴツい鎧は売ったのか深い緑のローブ姿に不似合いな槍を背中に担いだアレンがいた。
「やっと起きたかさあ、僕と一緒にクエストに行くぞ!」
どうしよう今、三つの選択肢がある。
一つ目はシスターに付いていく、二つ目はアレンに付いていく、三つ目はシスターとアレンを連れてクエストに行く。
簡単な選択肢だ答えはズバリ、
「シスター、俺達と一緒にクエストに行きませんか?」
三つ目のシスターとアレンを連れてクエストに行くだ。
俺はシスターを見つめて誘ってみたが
「お断りします。」
シスターに丁寧に即答されてしまった。
なぜだろう断られた悲しい自分と即答されてなぜか喜んでいる自分がいるまさか頭も蹴られたしそれでおかしくなっちまったのか?ただでさえアレンには嫌な目を向けられているのにこれ以上おかしくなったらヤバいぞパーティー解散もありえるなんとかしないと!
「そうですか残念です。それじゃあ、気を取り直してアレン!クエストに行くぞ!」
俺は丁寧に返した後、ベットから跳ね起きた。だがふとあることを思い出した。
「そういえば昨日助けてくれた人ってどこにいるんだ?」
俺達を助けてこの教会まで運んでくれたあの太陽のような女性の姿がなかった。
「あの人ならここに君を運んだ後どこかに行っちゃったよ」
そうなのかお礼だけでも言いたかったのだがしょうがない。もしまた会えたら次こそはお礼を言って名前も聞こう本当に姿は太陽のようで行動はまるで嵐のような人だったな
そして、俺はアレンだけを連れてクエストに向かった。
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俺達は街の外に向かうため街門を目指していただがクエストに行く前に俺は重要な事に気が付いた。
それは今の俺の装備の事だ。ジャージは血がついてまったので教会のシスターに預けて、シスターから貧相な茶色の布の服とズボンをもらって着ている武器はというとこれもシスターから貰った木の棒だなんでも教会にいる孤児の遊び道具らしい
「なあ、アレン俺はこんな装備で大丈夫なのか?」
俺は街を歩きながら自分の腕くらいある木の棒を持ってアレンに問いかけた。
何をするクエストなのか知らないがこんな木の棒で大丈夫なのか初クエストでゲームオーバーなんてはめになりたくないぞこんな事なら治癒魔法が使えるあのシスターを今日だけでも仲間になってくれるように土下座するんだった。
「スライム討伐のクエストだよ?それに僕がいるから大丈夫だよ心配するな」
「いや、もう現時点で心配があるんだよここ何処だよ!」
俺はアレンに付いて歩いていた。そもそもそれが間違いだったのだなぜならこいつは方向音痴だったのだから
辺りはボロボロの家が並んでおり、人気がなくまるでゴーストタウンのようだった。たとえ人がいてもそれは昨日の二人組のような連中だろう
どれだけ賑わっている街でもある程度離れてしまえばこんなゴーストタウンがちらほらあるらしいそんな現実はあまり知りたくはなかった。
そして、面倒だが仕方なく来た道を引き返した。
全く先が思いやられるなもっと頼りになる仲間がほしいよ……。
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