第5話村人ステータス!

「なあ、クロ!召喚士って一体なんなんだ?なんで僕は騎士になれないんだよ冗談じゃないぞ!」




アレンは泣きながら俺の胸ぐらを掴み揺らしてくる。


そんな事俺に言われても俺もあまり召喚士がなんなのかよく分からないさっきまでアレンが騎士になれなかったら笑ってやろうと思っていたがなんだかそんな気は起きなくなっていた。




その理由はモンスタースキラーってなんだよ!という事の方が勝っていたからだ。




モンスターズキラーならモンスター達を殺す意味なんだろうけどモンスターとスキラーで分かれているのか?もうなにがなんだか分からないんだが




でも、所詮冒険者なんてモンスターの殺し屋みたいな職業だし別に深く考えなくてもいいんじゃないのか?




「分かったから一端落ち着けよ俺だって意味わかんねぇんだ話が進まないだろ」




アレンは深呼吸をして落ち着き俺と一緒に受付のお姉さんの話を聞くことにした。




「では、職業の説明を致しますねまずはアレン君の召喚士はモンスターを呼び出して一緒に戦う職業ですレベルが上がると呼び出せるモンスターの種類が増えます。ススギコウヤ君のモンスタースキラーは倒したモンスターの固有スキルをレベル関係なく最初から10種類覚えられる職業です。何か質問とかはありますか?」




お姉さんは丁寧に俺達の職業の説明をしてくれた。


なるほどなんとなくだが俺の職業の事がわかったつまりスキラーとはモンスターのスキルが使える者のことのようだな使い方によってはかなり強いんじゃないか?もしかして最強かもしれないぞこれは




「はい!僕は騎士になりたいです!」




アレンは勢いよく手を伸ばしてお姉さんに言った。


余程騎士になりたいんだなこいつ諦めて召喚士になれよ俺が思う感じ結構強そうだぞ




「もう決定しましたのでそれは無理です諦めて下さい」




アレンはお姉さんの言葉に深く落ち込み顔を下げていた。




「ちょっと質問なんですがモンスターを倒す前のモンスタースキラーって何かスキルとかあるんですか?」




正直言って俺のステータスなんて村人レベルだろうそんな俺がなんのスキルもなしにモンスターと戦えるとは思えないレベル1のスライムにすら苦戦するのが予想される。




「いいえ、スキルはありませんよ何もモンスターを倒していないモンスタースキラーは村人と変わりません」




はい、俺詰んだなはっきり村人と同レベルって言われたよどうすればいいの?武器だけでも強いのが欲しいんだけどでも俺金ないし稼ごうにも俺弱いしどうしたらいい詰んだんだけど




「モンスタースキラーはかなり人口の少ない職業のひとつなので皆さんにマニュアルを配るようにしてるんです。アレン君も召喚士のマニュアルをあげますよ」




そう言われて俺とアレンはお姉さんに分マニュアル本を渡された。


来たぜ!マニュアル本!かなり細かく説明してあるマニュアル本だがこういうのは欲しかった出来ればこの職業以外の異世界マニュアル本も欲しいくらいだ




俺達はカウンターから離れて空いた席を探して、席についた。


俺は早速そのマニュアルを読んだアレンも仕方なくいじけながらマニュアルを読んだ。




モンスタースキラーマニュアルその1 モンスターを倒さなければ村人と同じです。仲間に助けてもらいながら敵を倒しましょう




なるほどつまり他のやつにモンスターを半殺しにさせて俺がトドメをさせばいいんだなつまり卑怯者だな最低か俺は!




モンスタースキラーマニュアルその2 モンスターを倒したらそのモンスターの固有スキルが覚えられます。例えばスライムを倒したらスライムのスライムボディのスキルを覚えられます。




スライムボディかよくわからないがとりあえずモンスターを倒さないと始まらないな俺は一通りマニュアルを読み終わった。




「どうだアレン全部読んだか?」




俺は向かい合って座っているアレンに聞いた。


アレンはマニュアル本もテーブルに置いて立ち上がって




「僕、召喚士になるよ!」




おい、どうしたんだこいつ急にあれだけ騎士になりたいって言ってたやつが一時間くらい召喚士のマニュアル読んだだけであっさりと寝返ったぞこの浮気者が!




「それじゃおまえその鎧と槍売れよ」




「鎧は売るけど槍は売らないよ僕は槍を使って戦う召喚士になるんだ!」




なんかよく分からない事を言い出したなこいつ大丈夫か?




「ところでクロ、君僕の仲間にならないか?なんだか君とは気が合いそうな気がするよ」




アレンはそう言って右手を俺の目の前に伸ばしてきた。




「今なんて言った?」




俺は驚いてもう一度聞いた。


村人と変わらない俺を本当にこいつは仲間にしたいのか?なんでだ?




「なんだ聞こえなかったか?僕の仲間になれよ!クロ!」




アレンは笑いかけて俺に右手を突き出す。


仲間になりたくないわけがないこいつはあまり頼りにならないやつだが良いやつだこんな俺を仲間にしてくれるのだから俺は優しくされて少し泣きそうになった。こんな少年に泣かされそうになるなんて恥ずかしいな




俺も立ち上がってアレンと握手を交わした。




「断る理由が見当たらねぇよ!よろしくなアレン!」




「パーティー結成だね」




俺とアレンは笑い合った。


俺は異世界に来てボッチになると心配していたがこうして無事に仲間が出来た。その事に俺はとても感謝した。




そして、召喚士 アレンが正式に仲間になった。

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