第3話 コミュ障と方向音痴
大体こういうときは美少女ヒロインが話しかけてくるパターンだと思うんだがなんでこんな少年が話しかけてくるんだよでも、ケチをつけてもしょうがないせっかくのチャンスを生かさねば
「終わりみたいなんじゃなくて終わりなんだよちょっと悩んでるんだ」
「それは興味深いね良かったら話してよ」
少年は目を輝かせて俺の顔をじっと見てきた。
そのしぐさに俺はドキドキした別に男に見られただけなんだから緊張しなくても良いだろやっぱり初対面ってことで緊張してんのか?俺は本当にダメだな
だがどうやって説明しよう嘘をつくのも面倒だし、ノンフィクションで俺は話すことにした。
「ちょっとコンビニに行こうとして家を出たら異世界召喚されてここに来て亜人と店主に振り回されたあと歩き回って今ここに至ると言った感じだ」
「コンビニ?異世界召喚?自分で聞いといて申し訳ないけどちょっとなに言ってるか分からないな」
少年は兜を被った自分の頭を撫でながら困っていた。
俺だって分からないさだから死んだような目をして終わった顔をしているんだよ
「君の外見を見ると異国の人と言うわけかい?」
少年は俺に指を差して言った。
「んーちょっと違うがそんなところだな」
異国と言えば異国だがそっちからすると元の世界は異世界になるわけだしその考え方も間違いではない
「ところでさ俺さ今仕事探してるんだよなそういう悩みを解決出来る場所ないかな?」
俺は無職無一文という今の現状を打破するべくハローワーク的な場所を聞いた。
「それなら僕に着いてきなよ良い所があるよ」
少年は持っていた長めの槍を杖がわりにしながら手招きをして歩き始めた。
結構頼りになるなこいつ、兜のせいで顔がチラチラとしか見れなくて怪しい感じのする奴だけどこういう奴は心強いでも、変な通りに連れていかれて内臓売られたりしないように気をつけないとな
俺はこの少年を少し怪しんでいた。
ゴツい鎧を着ていて、兜のせいで顔があまり見えていないし兜の目元に開いているところから綺麗な青い目が少し見える程度だった。身長は160㎝程で自分よりも長い槍を装備しているその辺にいる兵士とは少し違う違和感のようなものを感じていた。
俺は少年を警戒しながらもあとを着いていった。
「あっ間違えたこっちだった。」
少年もこの街の事をあまり知らないのかさっきから何度も道を間違えてたくさん歩かされてしまった。もしかして俺を油断させるための罠か?とも思ったが兜で顔の表情が分からなくても手の動きとかのしぐさで大体どう思っているかは分かった。
こいつマジで迷ってる
少年はあたふたと焦りながら来た道を行ったり来たりしている。これが罠ならこいつは俳優になれるかもしれないといったレベルだ。
「おい、大丈夫か?さっきからぐるぐる同じところ通っているように思えるけど」
「ごめんね、僕もこの街来たばかりだから道忘れちゃったよ」
つまりあれか俺らは今RPGあるあるの初めて来た街ってどこがどこだったか忘れちゃうよねに遭遇しているわけか頼りになりそうで屠頼りにならないなこいつは!
「マジかよ!それでお前どこに行きたいんだよ!」
「僕達が目指しているのはギルドだよ」
「ならもう人に聞こうえ~とあの人で良いか?もうあの人にしよう」
俺は戦士風の気の良さそうな男を指差した。
少年はガシャガシャと音を立てて、その男に近づいた。
一応、俺も少年のあとに着いていった。
少年はガシャーン!と大きな音を辺りに響かせて、盛大に転んだ。
「なにやってんだよお前大丈夫か?ドジッ子かよ怪我はないか?」
「怪我はないよありがとう本当にごめんよ、なにせ装備したばかりの着なれない鎧でね重くて転んじゃったんだ」
「気を付けろよ槍持ってんだから転んで刺さったりしたら危ないからな」
俺は少年に手を貸して、転がっていた槍を拾って少年に返した。
少年は鎧についた砂を払って槍を受け取った。
するとさっき話しかけようとした男が俺達に向かってきた。
「大丈夫かい?君達気を付けなよ」
男は心配そうな顔をして声をかけてきた。
転んだばっかりのこの少年に話させるのが少し可哀想で俺は勇気を出して話しかける事にした。
「すいませんが今ギルドを探しているんですけがどこにあるか知りませんか?」
「ギルドならこの道を真っ直ぐだよ」
「ありがとうございます」
俺は意外とちゃんと話すことができ最後に頭を下げてお礼をすることも出来た。やれば出来るじゃん俺!俺は自分を褒めた。
俺は少年を引き連れて教えてもらった通りに真っ直ぐ進んだ。にしてもこいつコミュ障、無一文の俺に比べればマシかもしれないが方向音痴でドジってのもかなりヤバいと思うそういえばまだ名前を知らないことに気づいた。
「そういやお前名前は?」
「僕の名前はアレン、よろしく!」
「そうか男らしくてカッコいい名前だな俺の名前はススギコウヤよろしくな!」
アレンは俺に片手を伸ばしてきて俺はその手を握って握手をした。アレンは不思議そうに少し首をかしげた。
やっぱりこの異世界じゃあ俺の名前は珍しいのだろうか?
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