第2話 召喚された目的

俺は適当にぶらぶらと歩いていた。別に行くあてもなくただ街を歩いていた。街行く人々はみんなカラフルな髪をしており、黒髪のやつなんて全然いないしさっき会ったみたいなトカゲのような人つまりリザードマンと言う奴なんかもいるしみんな着ている格好とかは鎧姿のやつやいかにも魔法使いといった感じのローブを着ている者など様々な人がいるがジャージ姿の奴なんていない。




「俺って異世界召喚されたんだよな?俺を連れてきた奴とか居ないの?」




独り言を言ったが誰も相手にしてくれないただ街人達に好奇の目を向けられるだけだ。






「普通こんなときって俺を召喚した美少女があら、間違えてあなたみたいなのを召喚しちゃったわ(裏声)って感じで美少女の目の前に現れるパターンとかじゃないの?これ不親切過ぎるだろせめて誰か道連れにして俺と一緒に今の状況を苦しむ仲間が欲しいよ」




そんな酷い事を叫んでいると街人達は俺に目を合わせようともしなくなった。俺が目を向けるとそっぽを向いて目をそしらしたり、子供連れの人は子供の肩をがしりと掴み関わらないように小走りで去っていく




ヤバい完全に危ない人認定されてるなんとかしなければでもどうすれば良いんだよ




「誰か俺に異世界マニュアルをください……。」




俺は膝をつき、両手を地面につけて落ち込んでいた。


突然、送られたことに混乱して出来ることなど何もなかった。




異世界マニュアルその① 左スティックを上にたおすと移動が出来るよ!スティックを押し込んでたおすとダッシュだ!。




くらいの簡単で分かりやすいゲームみたいな異世界マニュアルが欲しいレベルだ。はっきり言って右も左も分からない出来ることと言えば移動、会話、逃げるくらいだ戦うなんて出来ない殺られるのが明白だてか戦う意味などない。




俺はかなりコミュ障だが話しかけられれば普通に会話は出来るが話しかける事が出来ないだって相手は全く知らない人だそんな人にいきなり話しかけるなんて難易度が高すぎる。




でも、ここは勇気を出して話しかけるしかない!そうしないと俺は異世界ボッチ生活を送ることになってしまうそれだけは絶対に嫌だ俺だって異世界ハーレム生活とか送ってみたいだけど女性と話せる気がしない




俺は少し歩いて話しかけやすそうな人を探していた。


話しかけやすい良い人そうな若い男の人とか優しそうなおばあさん辺りに声をかけてまずはハローワーク的なところがあるか聞きたい。




だがそんな話しかけやすそうな人は居ないいるのは亜人ばかり


なにここ亜人専用通りとか言わないよね?亜人ってこんなに多いの下手したら人間より人口多いんじゃね?と思えるほど亜人達がわんさかと歩いていた。




リザードマン、獣人、角の生えた人間などちらほらと人間もいるがモヒカンやスキンヘッドのいかにも怖そうな人や真っ黒いローブを着た怪しい集団などとても話しかけることなんて出来ない俺はそんなにメンタル強くないぞハード過ぎるぞこの異世界!




俺はまた歩き出すトボトボと目的地なんてないがただひたすら道なりに歩いていた。




するとようやく普通の人間達もいるような広場に着いた。俺は歩き疲れてしまい、ベンチに腰を下ろした。




ここに来てから約一時間ほどたったが全く状況は進展しない向かう先は絶望のみ俺はこのままボッチのままなのか?




俺は元の世界に居たときを思い出す考えてみると俺は結構友達が少ない高校最後の春休みが暇だったのも遊びに行く友達が居なかったからだだから神様は異世界で良い思いをしろと俺を召喚したのだろうか?




残念、逆に知り合いが一人も出来ずボッチになりました。


それは悲しすぎるそんな事を考えていると俺は泣きそうになってきた。




俺は何も出来ずただ街行く人々を見ていることしか出来なかった別に話しかけやすそうな人は居るのだがいざ実践してみようとすると腰が重くなり、今だ行くんだ俺!立ち上がって話しかけるんだ!と思っていても立ち上がることすら出来ない。




とことん俺はコミュ障なんだなと痛感した。


誰か俺に話しかけてくれよもう誰だって良いからさ亜人でも良いし、荒くれものでも良い、もう小さい子供でも良いとにかく誰かとまた話がしたい




俺はさっきの武器屋に言って唯一知り合ったあのおっさんとまた話だけでもしようと思ったがあいにく道が分からず引き返すことすら出来ない。




もうどれ程時間が過ぎたのだろうスマホなんかは持ってないし近くに時計もないなので時間が全く分からなかった。




すると、俺に近づいてくる足音が聞こえてきた。


ガシャガシャと金属が擦れる音とコツコツと地面を踏む固い音が近づいてくる。




「どうした?もう終わりだみたいな顔して話だけでも聞いてあげるよ」




中性的な声がして、俺は顔を上げて見るとそこには鎧を着た15、6歳くらいの少年が立っていた。


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