002. ジェットコースター

華麗なる臨死体験に心踊る

冷たいナイフが心臓をかすめる

距離も着地点も違う君との

差を感じずにはいられない


やわらかい肌

わたしより弱い肌

キラキラした瞳

わたしより大きい瞳

ずっとふわっとしていて

どれもふわっとしていて


夜中の3時の眼下に

何を見出したのか

本当にふわっと消えてしまったのか

初夏の風に盗まれた魂


絵が好きだった君

先の丸い鉛筆を丸い手でぎゅっと握って

背中を丸めて再生紙にガシガシと

眠る君の水色が

わたしたちの好きだった水色

イラつくほどに濡れた色


ジェットコースター

遠心力で引きずり出された

わたしの生

ジェットコースター

こんなものに乗っても

君の場所には届かないのに

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る