Interlude-星を奪う
主に尽くすのは、家臣にとっては呼吸と同じこと。
主にはいつも自由でいて欲しいし、幸福であって欲しい。そのためには手段など選ばないし、選ぶ必要もないと思っていた。
だから、この犠牲も必要経費だ。ヴィルナエの幸福のためなら、この小娘の不幸や命など安いもの。そう信じて疑わないイザーラは、気を失った頼子を乱雑に担いで闇夜を走った。
少々腑に落ちないが、《これ》が今、彼女が最も焦がれているものらしい。近頃は少し元気がないが、《これ》を与えれば彼女の気分も少しは晴れるだろう。
最愛の主の笑顔を思い浮かべて薄く笑んだが、腕の中で揺さぶられている少女を一瞥した目は相変わらず冷ややかだった。《これ》が人間だろうがなんだろうがどうでもいい。私にとってはお前など、主に献上する供物に過ぎないのだから。
(待っていて、ヴィルナエ。君の欲しいものは、私が必ず揃えてみせる)
だから君は、どうか私の――
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