第10話 変身

では見せて貰おう


地下とは思えない広い空間の中ライトアップされたサキザキ曹長の前で青年は構えた


右手を上に掲げ拳を握り締め左手を右手に添えて変身と叫びながら手を抱え込むように下げた

その瞬間強烈な光が青年から発せられそこから20秒後くらいに空中に浮き始め

最終的に巨人となったのは構えてから30秒後だった


フルフェイスの巨人を見上げながら曹長が感じたのは遅いという感情だった


こんなことを敵前でやっていたら攻撃されるに決まってる


変身は解けるのか?


巨人は頷くと両の手を腰で組み足を肩幅まで広げてやや上を見上げるポーズを取った


巨人の体がまた強烈な光に包まれ急速に縮んでいく

解除は20秒ほどで完了した


少し額に汗をかいて青年は元に戻っていた


今まで何回変身している?


これが初めてだ


そうか


サキザキはめまいがしそうな気分だ


初めてだと!?テストもせずにこいつはメグミちゃんと闘おうとしていたのか


やはり危険だ、、、


サキザキはこの作戦の開始前のゴウダ大佐との会話を思い出していた


あの青年に協力するというのは本当ですか?


耳が早いなサキザキその通りだ


自分は少々危険だと考えます


理由は?


彼が味方である保証はメグミちゃんと同じくありません

以前の接触でもメグミちゃんほどの強烈な拒否が無かっただけで友好的とはいえない態度を示していました


確かに彼が味方である保証は無い


青年に協力することでメグミちゃんの反感を買うかも知れません


五分五分だな


五分五分?


私はなサキザキあいつらは両方敵だと思っている

そしてこのまま手をこまねいても事態は改善しないであろうとも思っている


確かに二人の身辺調査は完了し、これ以上の情報を得ることは難しい


であれば積極的に介入していくしかあるまい

介入するのであればメグミちゃんより青年の方だろう


、、、なるほど


下管の愚行をお聞き頂き感謝致します。


うむっ頼んだぞ!


はっ!


大佐のお考えはまだ奥にある気がする

私は大佐に従うのみだ


では青年今日はできる限り変身してもらうぞ目的は変身時間の短縮だ

変身できなくなったら体術を教えてやろう


体術?


ああ自衛隊戦闘術の百式だ

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