13「心の叫び」サキ
「手伝わせてって、入部してくれるってこと!?」
「入部? そういえばここ、なんの部活なのよ?」
「あのね、未分類魔法クラフト部だよ!」
「そのまんまってわけね……。ま、まぁ。手伝うってことはそういうことよ」
「やったーーー! うん! 是非手伝って、サキさん! 大歓迎だよ! 」
「はいはい、わかったからいい加減離れなさいっ」
ようやくアイリンを引き剥がし、あたしは倒れた椅子を起こして座り直す。
この子の魔法の完成を、すぐ側で……か。確かに、それも悪くないかも。
それにこの部に入れば……。
「そうだ、サキさん。私思い出したよ」
クランリーテも椅子に座り直し、あたしの方を見ながらそう切り出す。
「えっ!? な、なにをよ?」
「サキさんって確か、入学直後にあった魔法道具作成のテストでトップだったよね?」
「魔法道具の? ……ええ、そうね」
そういえばそうだった。四属性魔法ではクランリーテに勝てなかったけど、魔法道具作成は絶対に負けない自信がある。
クランリーテはテーブルの上の作業台に目を向ける。
「実は私、魔法道具作成は苦手で。そのテストも危うく補習になるところだった」
「えっ……えぇ? そうなの?」
「だからトップのサキさんすごいなぁって思ったんだよね。思い出すのが遅くてごめん」
「う、ううん? 別にいいわよ、そんなこと」
え……うそ、魔法道具作成が苦手? あのクランリーテが?
そう、そうなの……。
って、それよりも今、なんて言った?
「自分ができないからかな? サキさんみたいに魔法道具作れる人ってすごいって思う」
「ふっ……ふふ、ま、まぁね? それほどでも? ふふふふふふっ」
また言った? すごいって、また言った? あたしのことすごいって言った?
――――っ! クランリーテが、あたしのこと、認めてくれた!
「ふお? どうしたの~サキさん。顔がすごいニヤけてる!」
「っ! なんでもないわ。それより、さん付けとかやめなさいよ。同じ学年なんだし。……アイリン」
「わかった! サキちゃん!」
「こうなったらアイリン、あんたの魔法、絶対に完成させるわよ!」
「うん……!! 頑張ろうね!」
未分類魔法クラフト部
クラフト2「1番と2番」
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