クラフト2 1番と2番
7「四属性魔法学年トップ」クランリーテ
先日の実技試験の結果、私はトップで合格だった。この学校ではトップの人だけ名前が発表される。四属性すべてトップということで全校集会で発表されてしまい、少し恥ずかしかった。
一方アイリンは、四属性すべて失格で補習。……よくこの学校に入学できたなぁ。
もっとも、魔法の素質が無いわけじゃない。四属性が苦手なだけで、マナの扱いは巧いと思う。……つまり入学試験の段階で、彼女の才能に気付いた人がいたんだ。
未分類魔法。アイリンの部に入って、私は思った以上に未分類魔法を知らないと気付いた。 せっかく部に入るんだから未分類魔法について勉強しようと思ったけど、専門の本一冊見付からなかった。
さすが、四大属性魔法の国。周りに詳しい人もいないし、知る環境自体が無かった。
というわけで独学で学ぶのはなかなか難しそう。当面はアイリンの手伝いをしながら少しずつ教わっていくことになりそうだ。
ただ……そのアイリンが補習で部活に来るのが遅くなる。だからこうして、放課後の教室でゆっくり帰り支度をして時間を調節していた。
そうだ。わたしがアイリンに属性魔法を教えてあげるというのはどうだろう。彼女の魔法に対するイメージを矯正するのは難しいかもしれないけど、こう、なにか思考を切り替えるだけで、上手くいくような気もするのだ。その手助けをしてあげたい。
どうやって教えるのがいいかな。アイリンの場合、普通の授業のやり方ではたぶんダメ。呪文でイメージを補強するよりも、もっと直感的に魔法のイメージが湧くようにした方が……。
「ふふっ」
色々考えてたら楽しくなってきた。思わず笑みがこぼれてしまい――ハッとなる。
いけない、まるで思い出し笑いしてる変な人みたいだ。誰かに見られていないか、そーっと辺りを見渡してみるけど……よかった、こっちを見てる人はいなさそうだ。
「ふぅ。先に部室に行ってようかな」
私はアイリンの机に書き置きを残して、自分の鞄を手に取り部室に向かった。
「部室って……部活に入ったの? あのクランリーテが……?」
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