第4話 魔力操作
体内にあるであろう力を探る。
熱を帯びた何かが体内を巡っているのを感じ取れる、恐らく気であろう。
生前よりも明確に流れを感じることが出来るのは、『操気』の恩恵だろうか。
そして気とは別の、なにか体にまとわりつくような、じわじわと胸の辺りから滲み出ているような物を感じる。
これが魔力か……?
この魔力(?)を、意識的に動かせないか、試してみる。
ぐっ…… 動きそうな気配はあるが、すごく重い…… 気がする……
もう少し力を込めてみるか。
――ズ…ズズッ!
胸の奥から一気に何かが引っ張り出される感覚。
うっ…… 吐きそ……
視界が明滅し、僕は意識を失った。
◆
目が覚めたら夜になっていた。気絶していたのか……
恐らく急激に力を放出してしまって、貧血のような状態になったのではないか、と自分の体の感覚から推測する。
――ぐーっ
空腹感がやばい。と思っていたら隣に寝ていた母が起きて、乳をくれた。
「------」
安心した表情で僕をなでている。いきなり気絶して夜中まで起きなかったのだ、心配をかけてしまっただろう。
「あうあー」
母の頬に手を当てて感謝と謝罪の気持ちを伝える。いや伝わってないだろうけど、気持ちの問題だ。
「----♪」
伝わったようだ。
母は嬉しそうな顔をして眠りについた。
僕も今日はもう寝よう……
◆
翌日、母の目を盗んでまた『魔力操作』の練習を行う。
なぜ母の目を盗んでいるのかというと、近くにいると他人の気や魔力も感じ取ることが出来るからだ。
赤ちゃんがいきなり魔力を操作していたら気味が悪いだろう。
――ズズッ……
あっやばっ……
僕はまた意識を失った。
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