第2話

「ぬぉぉぉお!!なぜお前のようなモブが新原さん隣りなんだぁ~!!」

俺をすごい勢いで責めてくる、一応親友の稲本 裕一。

「さらっとモブとか言うな。傷つくだろ。」

「なぜだぁぁぁぁぁぁ~!」

「いや聞けよ。」

どうやらこいつは、俺が新原さんの隣りになったことが相当気に入らないらしい。

「なぜこの俺がお前ごときに負けるんだぁぁぁぁ~」

「勝ち負けとかじゃないだろ。」

席替えなんて運だし。たまたま俺の運が超絶良かっただけだし。

「んじゃ、お前の不幸を願って焼きそばパン買ってきて。」

「立ち直り早いな。そして人の不幸なんて願うな、っていうかパシんな!」


「え、なになに、お前パシられてんの?じゃあ俺らの分もよろしく~」

ついには他のクラスメイトまでやってきた。

「おまえらさ~」

ふと隣りを見ると、新原さんがクスクス笑っていた。

そして気がつくと、俺の前には欲しい物が書かれたメモと500円玉が6枚置かれていた。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る