第82話 サイド:井戸端板 虫の探求者
「結局さ、虫の探究者ってユニーク称号なわけ?」
「だろうな。」
「ということは、カンピオーネともう一人の人のみか。」
「てか標本は、そのもう一人が作ったんじゃね?」
「そもそも、標本って何だよ・・・。」
「探検家のスキルだろ。」
「採集から派生するらしいぞ。」
「探検家自体、居るのか?」
「殆どの奴が、採集の使い道わからなくて、盗賊に転職してる。」
「よくもまあ、頑張ったよな?」
「昆虫採集好きなんでね?」
「奴は、インセクトドクター(ID)だからな。」
「でもさ、そのID居なかったら、虫の洞窟どうなってた?」
「永遠に封印されたままだろ。」
「16種類の生贄とかヒントすらなかったのか?」
「まったくない。」
「だな、攻略ギルドも最初は必死になってたからな。」
「16種類の標本作るのって難しいのか?」
「さあ?」
「採集のやり方すら誰もわからんだろ・・・。」
「聞いた話だと、虫系を一旦、気絶させるらしい。」
「気絶ってあったっけ?」
「探検家のスキルちゃう?」
「頭を殴れば気絶するらしい。」
「は?」
「おいおい、虫系なめんなよっ!」
「他の虫ならいざ知らず、陰鬱な森の虫が殴れるわけないだろっ!」
「んだ!」
「だから、カンピオーネの出番なんだろ。」
「!」
「!!」
「!!!」
「い、いやまて、いくらカンピオーネでもスズメ系は殴れまい?」
「16種揃えてるんだから、殴ってんだろ?」
「カンピオーネは、化け物かっ!」
「知らんのか?奴はβの頃から化け物だよ。」
「今後、探検家増えるかな?」
「増えんだろ。」
「もう役目終わったしな。」
「んだ。」
「メリットがない。」
「お前ら知らんのか?家具たんが買ってくれるみたいだぞ?」
「俺の嫁が?」
「いや、俺の!」
「お前ら、嫁は一人にしとけよ。」
「そういや、標本入りの家具、めちゃ高だよな?」
「適正だろ。」
「標本の貴重性考えたら、家具たんは、間違ってないかと。」
「うちのギルド、レインボーテントウの家具あったな。」
「キングヘラクレスとか無いのかな?」
「レア敵だろそれ?」
「居るのかっ!」
「会った事あるけど、全滅したが何か?」
「めちゃ強だよな。」
「むしろ、レア敵だが、会いたくない。」
「あれ、気絶するの?」
「さあ?」
「例え、気絶してIDが標本にしたとしよう。でもあの巨大なキングヘラクレスを、何の家具にすんねんっ!」
「さすがにあの大きさは、邪魔かもな。」
「飾ってあったら、迫力あるべ。」
「家具たんって、埋め込みのスキル持ってるから、壁に埋め込めるんでね?」
「!!!」
「キングヘラクレス欲しくなった!」
「ギルドルームの壁にあれ居たら、いいなっ!」
「男のロマンだな。」
「何にせよ、ID拉致らないと話にならないと思うが?」
「そうだね・・・。」
「スタートは、そこからか・・・。」
「いや、だからさ、お前らで勝てるのか?キングヘラクレスに?」
「無理。」
「俺、見たら逃げるよ?」
「じゃあ、IDとカンピオーネ拉致ればいいだろ。」
「おおー、その手があった!」
「いくらカンピオーネでも無理だと思うが?」
「一人でどうこうなる敵じゃないぞ。」
「勝ったPTいるのかな?」
「連合の奴らが勝ってる。」
「さすが連合っ!」
「でも3人死んで、ギリギリとか書いてあった。」
「そんなのどうやって気絶させるんじゃ?」
「カンピオーネなら・・・。」
「奴ならきっと・・・。」
「お前らなあ、カンピオーネなら何でも出来ると思ってるんじゃね?」
「俺もそこまでは、思ってなかったが、今回の件考えると・・・。」
「やりそうだよな?」
「うん、そんな気がする・・・。」
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