第6話 ギルド定例会議
「これよりギルドの定例会議を始める」
ここは聖騎士団のギルドルーム。
大手のギルドであり、総勢100名を越えるため、
ギルドルームは、上から2番目の大きさになる。
議長を務めてるのは、団長のギルバルトだった。
「団長、先日起きた堅松樹事件の事ですが、団内でもやりすぎの声があがってます。」
同盟ギルドのクレインの行動は団内でも、批判が、相次いでいた。
「私もそう思う。」
そう言いながら、会議室に副団長が入室してきた。
「まずは遅れた事をわびよう。しかし私は9時30分からと聞いていたのだが?」
「い、いや他のメンバーが揃ってたので、軽い議題からと思って始めていたんだ。」
団長のギルバルトが長身の女性キャラに言い訳をした。
「そうか、それならいい。先ほどの堅松樹事件の事だが、私もやりすぎだと思う。」
「副団長も同意してくれますか?」
円卓についてる他のメンバーからも喜びの声が上がる。
会議室には円卓があり、席は10席ある。
発言権のある幹部のみが座る事が出来るが、ギルドメンバー
なら誰でも会議をみることが出来る。
「ベルが同意してくれるなら、話は早い。これは、ギルドとして抗議する必要があると思う。」
「そうだ」
「その通りだ」
団長の意見に、他の幹部が賛同する。
「その件についても同意する。」
長身の美麗キャラ、ベルラインは言った。
「よし、さっそく、シンゲンの奴に・・・」
「待てっ!」
「えっ?」
「貴様、何処に抗議するつもりだ?」
団長を貴様よばわりする時点で、ギルド内の力関係が見てとれる。
「だ、だから、野武士のリーダー、シンゲンに・・・。」
「お前達全員に問おう。堅松樹事件で問題を起こしたのは誰だ?」
普段から「クレインちゃん」と呼んでるくらい仲がいい副団長に誰もクレインの名前を出す事は、出来なかった。
「「「だ、団長っ」」」
心の中で団長に期待する。
「いいかベル。俺もお前も居ない時にだ。ギルメンから堅松樹を奪ったんだぞ?これは問題にすべきだ。」
「「「団長頑張れ~」」」
「私が許可した。」
「へっ?」
「私が許可したと言ってるんだ。本来なら私が集めるべきだったが、あいにくとON出来なかった。クレインちゃんには感謝すべきであって、抗議だと?貴様それでも団長かっ!」
「・・・」
ギルバルトは何も言えなくなった。
「「「団長~><」」」
「じゃあ何処に抗議しろと?」
最後の力を振り絞り団長は発言した。
「貴様は、馬鹿か?釣りギルド「バラサン」に決まっているだろう。」
「いい加減にしろっ!各個人の持ち物をギルドがどうこうするなんて、おかしいだろ。」
ついにギルバルトは切れてしまった。
「「「団長きたああああ」」」
「そうか、団長の貴様がそういうなら仕方ないな。これは言いたくはなかったんだがな。貴様のお気に入りのSSを今、表示して貰おうか?」
「うっ・・・」
「「「???」」」
「どうしたギルバルト。早くしろ。」
「な、何故出さないといけないんだ。断るっ。」
「仕方ないな。」
そう言って、ベルラインは一枚のSSを表示させた。
そのSSは、ローラとギルバルトが肩を寄せ合ってピースサインを
しているものだった。
「「「なっ!!!」」」
幹部+会議を見ているギルメン(男)が全員驚く。
「ど、どこから手に入れた・・・。」
「善意の第三者から情報提供頂いたものだ。」
「お、俺がローラたんとSS撮って何が悪いっ」
「そこまで開き直られると何も言えんな。」
「と、とにかくっ。各個人の持ち物をだな・・・。」
「そういえば、その堅松樹事件とやら,ランキングが発表されてるらしいな。貴君らは確認したのか?」
ベルラインは、ギルバルトの言葉を遮って、他の幹部に聞いた。
「い、いえ。自分達はクレインさんに奪われたので見てないです。」
「それに1位は決まってますし。」
幹部達が答えた。
「上位3名が発表されてるらしい。見れるものは今見て見ろ。」
堅松樹提供ランキング(はーと)
1位 クレインさん(野武士)
2位 ギルバルトさん(聖騎士団)
・
・
「「「はあああああっ?」」」
一同が驚きの声をあげた。
「これより緊急動議をとりおこなう。」
「「「イエスっ マムっ!」」」
「団長の処分についてだが。」
「「「クレインさんによる無限PvPを!!!」」」
「ふざけるな、お前らっ!クレインだってそんな暇あるわけ」
「こんにちわ~。」
意気揚々とクレインが会議室に入ってきた。
「ベルさん、デュエル大会用の練習相手貸してくれるって聞いたんですが?」
「いい所にきたな。クレインちゃん。その馬鹿を持って行ってくれ。」
「団長さん、自らなんて、私感激しました。」
「ときにクレインちゃん。堅松樹提供ランキングは見たか?」
「いえ、私が1位ってのは聞いてますんで。」
「確認してみるといい。」
クレインはウィンドウを出し確認した。
「ベルさん。団長借りていきますね。ボロボロになるかもですが。」
「灰になっても構わんよ。」
「それじゃあ。」
クレインは、ギルバルトの首根っこを掴み闘技場へと向かった。
聖騎士団のメンバーには、誰1人、団長に同情するものは居なかった。
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