貴方のように

私は、貴方みたいになりたかった。

貴方は、今も昔も私の憧れだったんだ。

貴方みたいに、なりたかった。

キラキラ輝いていて、何に対しても真面目で生きることを本気で楽しんでいて

誰に対しても優しくてそして強くて...

それと、真反対な自分が憎い。

どんよりしていて、特定なことに真面目で生きる理由が無いと嘆いた

人に関心はなく常に疑っていて、その癖に弱くて...

つい最近、友人がまた離れていった。

「何を、考えてるか分かんないよ。何かをいつも企んでいて、気味が悪い。

それに、ちょっと変わっているって言うかなんか無理。」

何回目の言葉だろう。

「嗚呼、もういいよ。勝手にし給え。」

なんて、格好つけて学校のトイレで泣いた。

滑稽な自分だ。後日、元友人に教室前で出会った。

彼女は、私に気づかないくらい貴方の話に熱中していた。

貴方には、正直嫉妬をしている。

全て持っていく。ただ、最近モノ好きが現れた。

そりゃ、面白い人物で私の独特な雰囲気が死んだ目が言葉遊びが無邪気な狂気さに惹かれたらしい。

初めて、生まれて初めてここまでこの子に尽くそうと思った。

その子のために、何にでもなった。

時には、道化師を。時には、心優しい友人を。時には、悪人だって。

あの子の為なら、女らしさも捨てた。

そう、全てを捨てても全てを変えてでも君に尽くそうとやった。

ただ、貴方が邪魔だった。

彼女に漬け込んで、何かを吹き込んで純粋で美しい彼女を私の愛しいあの子を取り上げた。

私の隣に愛しい友人はもういない。

貴方の隣を、楽しそうに歩いては時より危なっかしい足取りで走ってはしゃいで。

私は、貴方になりたかった。

もう、あの子は私の元にはこない。

話しかけにも来ない。微笑んでもくれない。目も合わなければ眼中にもない。

私は、貴方になりたかった。

今も昔も、憧れの貴方になりたかった。

そうすれば、きっと失った全てのモノが帰って来る気がしたから。

そうすれば、きっともっと楽しい人生を送れる気がしたから。

そんな、汚い私はきっと貴方になったとしても貴方の人生も無駄にして生きて逝くのだろうけど。

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