人知らず

人は、知らない。自分が一体なにものなのか。

一体何をしたいのか。だから、面白いのか。

わからなくはないが、果たして生きるってそんな単純でいいのだろうか?

哲学は嫌いなわけではないが、自分の知らないことを知るのは怖い。

それは、誰しもが得るはずの感情なのだろうが…

これまた、恐怖は自分に程よい快楽を与える。

抜けられない、吐けない。

世は人知らず、人は人を知らないように世も人を知らない。

知ろうとしては、逃げて。

求めようとしては、逃げられて。

これを、人は人生と言う。

世は、人を知らないが故に道徳と呼ぶ。

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