馬鹿の一つおぼえのように...
@sutekinakanbusama
泣くな笑え 笑うな
私、人よりとても脆い心を持っています。
何かあるたびに、鳥籠のような教室から逃げては、雀の様にチュンチュン寂しく一人泣くのですが、毎回その後姿を見た一人の先生が厭きれた顔で、
「まるで、死体を漁るカラスの様だ」
と、言い放ち私の隣に乱暴に腰掛けて続けて言い放つのです。
「気にするから悪いのでは?気にしていたら気が狂ってしまう。泣くなら笑っていたほうがいつかは、カラスから鶴になれるんじゃないかしら」
この人、なんて自分勝手なお方なのでしょう?私、鶴よりサギのように賢く生きたいのに。
そんな、反論を言ってもきっとめちゃくちゃな論で言いくるめられるだけだ黙っておくのが賢い選択だろうと自分の中で生まれた不可解な感情に飲み込まれないように、
彼が望んだのだろう笑顔で大きな返事で後を追った。
それから、私は貼り付けたような笑みで周りに媚を売った。案外好評のようで無愛想な気味の悪い人から笑顔で愛想の好い生徒となりあがった。
しかし、根本は変わっていなかったようで。しかし、人はいかに簡単なモノなのか滑稽にしらしめる様に事件が起こったのです。
ある日の授業中のことでした。少々調子が乗っていたからでしょうか?
理不尽に意味のわからない理由で先生に怒られていました。
以前の私ならきっと逃げ出して泣いていたのかもしれないが私のなかに、泣くの他に道化を覚えた私には泣くことよりおどけて機嫌をとった方が楽なのでは?と思い、その先生に向かって以前よりも完璧な笑顔で言うのでした。
「先生。私、先生の授業好きです。もう続きはなさらないのですか?私への、説教という無駄な時間より先生の授業は私を含めた多数の生徒に割いてはどうでしょうか?」
できるだけ、丁寧に早く終わらせてくれと伝えればこの時間がどれだけ無駄か理解するだろう。私は、生徒であり彼女は私情で動くような馬鹿でも先生なのだ。
なぜ、貴女は生きているの?いつ死ぬの?と純粋な子に問われるよりは難問ではない。
しかし、先生は叱る事やめるどころか勢いを増してついには関係のないことまで口走っていた。
「いつも、笑っていてとても気味が悪いわ。どこが無駄な時間かしら?貴女みたいな生徒を面倒見ているのはねここが、学校だからよ?これは、れっきとした指導です。それに、今は、笑う時ではないわ。普段から思っていたのよ。貴女生徒の癖に私たち教師の仕事を、増やしてくれる。とっても、教師から見て不愉快よ。それに給料はそれなりだし...」
嗚呼。逃げ出したい、隠れたい、消えたい。
一刻も早くこの場から離れたくて黙るけど結局先生がスッキリした顔で黙ったのは授業の終わりを告げるチャイムが鳴った頃だった。
その時、私の精神はボロボロで先生の説教のなかの矛盾な発言を心の中で反論する気力もうせていた。
しかし。それだけではなかった止めを刺すように。
仲のよかった、子達が次々と先生の矛盾だらけの演説じみた持論発表会を賞賛し私への非難の声で教室が溢れ返った。
「泣くな笑え」それで実が持つ果物だとしたら
「笑うな」それだけで中の蜜がこぼれ腐る果実なら
きっと、アダムとイヴからこの連鎖が始まり終わりなく続くのだろう。
その中で、今日も明日も明後日もその明々後日も生きるのだろうか。
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