第5話

俺はこの幼馴染を少しかわいそうに思った。

そうか、こいつも疲れてたんだな……

「何その可愛そうなモノを見る目。チョー不本意なんですけど!」

「いや、可愛そうだなって思ったからさ……」

ι(`ロ´)ノムキーと抗議する天音をなだめて訳を聞き出そうとする。

「で、そのタイムマシン(笑)はどんなものなんだよ」

「今(笑)ってつけたでしょー!!!」

しまった、ついうっかり煽ってしまった。

「いや、世界中の学者が成し遂げてないことをお前が出来るわけないじゃん(笑)しかもタイムマシン(笑)」

おっと、ついまた煽ってしまった。

「くぁwせdrftgyふじこlp」

言葉にならない抗議の声を聞いて普段のストレスが全て吹き飛んだので、真面目(笑)に聞いてやるとする。

「天音様、どうかワタクシめにも分かるように説明していただけないでしょうか」

俺のへりくだった口調に機嫌を直した天音は少し上機嫌で語り出した。

「この前煙のフラフラーってのを見ててあたし思ったのね!『あ、時間の流れみたい』って!」

は?と言う言葉をどうにか噛み砕いて飲み込む。

「そこからヒントを得たあたしは思ったの!タイムマシン作れるんじゃないか、ってね!」

「は?」

しまった、声に出してしまった。

「で、これが試作3号機なんだけど」

天音は背中のカバンからネコミミ型ヘッドホンを取り出した。

「これを被ってスイッチを押すだけ!ね?簡単でしょ!」

「そっかー、すごいなー、じゃ、俺はバイトあるからいくよー」

「でね!!!」

走り出そうとした俺の愛車(サソリ丸)を片手で引き留める。

「響介にも使ってもらおうと思って持ってきたの!」

持ってきたの!じゃねえよ。持って帰れよ。

「断る。じゃ、俺バイトだから」

片手をあげて殺到と立ち去ろうとする俺をまた片手で引き留める。ビクとも動かねぇ……!

「いいじゃんー!遅刻しても戻れるんだからー!」

「いいわけあるか!タイムマシンなんてあるわけないだろ!仮にあったとしてもゲル状になるのがオチだ!」

そのまま10分ほど口論を繰り返したが、結局自転車(サソリ丸)を人質(?)に取られてしまったため、俺が折れる形になった。

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もう一度あの日の夢を ホタルイカ @garlicpepper29

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