第2話

ピピピピピピ―――

枕元で鳴り響くアラームの音で目を覚ます。

凄く長い夢を見ていた気がするが、頭にもやがかかっているかのようにぼんやりとしていて思い出せない。

なんだかスッキリしないまま、携帯のアラームを止める。時刻は6時50分。あと5分ほどでニュース番組の占いのコーナーが始まる。毎朝占いをチェックするのが彼の日課となっている。

テレビの電源を入れ、布団を畳んでからケトルのスイッチを入れる。キッチンへと行き、お気に入りのマグカップとスーパーで買って置いた半額のパンを片手に持ち、居間へと戻る。ちょうど占いコーナーが始まったところだ。

「今日の1位は――」

一通り確認したら別の情報番組にチャンネルを変える。これもいつも通り。

インスタントコーヒーの素をカップに入れ、お湯を注ぐ。ぼんやりとニュースに目を通しつつ、パンをかじる。

特に目立った事件もないようで、テレビでは若いアナウンサーがオシャレなパンケーキをレポートしている。

朝食を済ませた後は、アルバイトへ向かうべく、着替えを済ませ、身だしなみを整えて家を出る。

それが彼、空蝉響介の日常、だった。

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