9ページ目 取材

「はい!今日は南の不思議な諸島の一つである境収きょうしゅうという島にきております。昔はこの島々は『ジャパリパーク』という大きなテーマパークとしてたくさんの人々がここに訪れました。しかし、とある大きな事件が発生してからはこの島々は隔離され、立ち入り禁止だったんです。でも、そんな時代ももう終わり!ここに活気を戻そうと鉄道を敷いている会社があるそうです。早速お話を伺ってみましょう、こんにちは!」

「こ、こんにちは。」

「まず、この路線を作るにあたって心がけたものはなんでしょうか?」

「えーっと、観光客に使いやすいのはもちろん、フレンズ達にも使いやすいような駅配置にするといったことです。」

「そういえば『フレンズ』について説明するのを忘れていましたね。『フレンズ』というのは未知の物質『サンドスター』によって動物達が『ヒト』に似た姿になったのを指します。では、次の質問へ参りましょう!この境収では全く違う気候が隣り合ってることがありますが、そこはどう対処するのでしょうか?」

「それはまぁ、まだへいげんからしんりんを通りみずべまでしか通してないのでまだわかりません。ただ、多分臨機応変に対応すると思います。」

「ありがとうございました。」


「ふぅ…疲れた…」

【お疲れ様。】

「あ、いたんだ。いたなら言ってよ。てか手伝ってよ。」

【いや、いつ入っていいかわからなかったから…】

「ま、それもそうか。」


〜その頃狐の温泉宿では〜


「はい!私たちは今狐のフレンズ達が管理をしている温泉宿にきております。」

「あの人たち、誰?」

「私たちの温泉宿をみんなに伝えてくれる方々よ。」

「そうなんだ…」

「では、早速お風呂へ参りましょう!」


「こちらがサンドスターが溶け出ている温泉でございます!気持ちいいですね!」

「温泉最高…」

「あなたは、どの種類のフレンズさんですか?」

「カピバラだよよよ…よろしくねねね…」

「はい!」


「そろそろ夕飯の時間だそうなのですが、ここではこの島の名物とも言える『ジャパリまん』が出るそうです!」

「じゃ、みんなでいただきますしましょうか。」

「いただきます!」

「ん!これは美味しい!肉まんみたいなジューシーさもありながら野菜もしっかり入ってて、なおかつ飽きさせないような工夫が入ってるみたいです。これはどうやって作られているのですか?」

「『ボス』が工場で作ってるんだよね?」

「その『ボス』っていうのは一体どんな方なのでしょうか?」

「えーっと、青くて、このくらいの背丈で、確かろぼっと?って言ってたかしら。」

「あ、『ラッキービースト』のことですね!『ラッキービースト』とはこの島が隔離される時にメンテナンスやその他フレンズ達のために作られたと言われております。しかし最初は『パークガイドロボット』として作られたようです。」

「へぇ!『ボス』ってそんなにすごいんだ!」

「はい!えっ?子供?あの作業員の方の息子さん達なのでしょうか?しかし、子供は立ち入り禁止だったはず…どうしてなのでしょうか?」

『リポーターさん?』

『あ、はい!どうしましたか?』

『もしかしたらその男の子の方、役者に向いてるかも。少し話を聞いてもらえるかな?』

『はい!わかりました!』

「あなたのお名前は?」

「いわね まさきです!」

「あなたのお名前も教えてくれるかな?」

「ならやま まきです!」

「まさきくん、『俳優』に興味はない?」

「『はいゆう』って何?」

「舞台の上で役を演じるの。」

「つまりPPPみたいになるってこと?やってみたい!」

『私の家で養ってあげよう。』

『わかりました。』

『イヤホンをその子につけてあげて。』

『はい!』

「このイヤホンを耳につけて。」

「こんな感じ?」

「そうそう。この男の方が養ってくれるって。」

「えっ、男の人?男の人って僕たちのことを殴るんでしょ?嫌だ、もう痛い思いしたくない!」

「大丈夫、この人は殴らない。」

『大丈夫、私は殴ったりしないよ。』

「まきが言うなら大丈夫だな。わかった!」

「じゃあ引越ししよう!」

「『ひっこし』って?」

「荷物を新しい家に持ってくの。」

「持ってく荷物はないから、今からでもいけるよ!」

「じゃあ早速行っちゃおう!」

「おー!」

「さっき出ました『PPP』というのは『Penguins Performance Project』の略でペンギンのフレンズ五人組のアイドルがいるんです。フレンズ達にファンが多く、マーゲイというマネージャーまでつけているとのことです。」


〜その子の中村橋富雄は〜


「とりあえず島にはついた、早く狐の温泉宿行かなきゃ!」


〜数時間後〜


「はぁ、はぁ、キタキツネはいるか?」

「トミオ、どうしたの?」

「巌根達はいるか?」

「さっき取材の人たちが連れて帰っちゃった。」

「くそ、一足遅かったか。」


数日後、何となくテレビをつけてみると巌根が画面に映っていた。


『つまりPPPみたいになるってこと?やってみたい!』

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