6ページ目 JP-13,14 輪胎公園と平鹿城

「さて、そのためには駅を作らなきゃだね。」

「その前に線路敷かなきゃね。」

「線路を先に敷いちゃうっスか?」

「あ!いい案思いついたであります!オーロックス殿たちはここで待ってるであります!」


 プレーリーの案に耳を傾けるビーバーと作業員の二人。


「それはいい案っスね!やってみたいっス!」

「何をするんだ?」

「そうっスね…明日の昼くらいにおれっちたちが呼びに来るまで内緒っス。」

「明日の昼か?わかった、予定は空けておこう。」

「あ、その前に名前を聞いておこうか。」

「なんで今更…?」

「日記に書いとこうかと思ってな。」

「そういうことなら。私がアラビアオリックス。」

「で、おれがオーロックス。」

「最後に私はニホンツキノワグマだよ。」

「ありがとう、ついでに今日はもう遅いから泊めさせてくれないかも聞いてくれるか?」

「ついでにおれっちたちも一緒に泊まっちゃうっスか。」

「そうした方が楽でありますね!」

「合計四人ね。わかったよ。」


〜数分後〜


「許可は得たよ。さ、入って。」

「今日はお疲れ様、また明日ね!」

「お疲れ様であります!」


〜次の日の昼〜


 昨日はよく休めたようだ。昨日の疲れが嘘見たいた。そして…


「よし、線路も敷き終わったし…」

「僕とプレーリーでライオン陣営呼んでくるね!」

「頼んだぞ!」

「手伝ってくれてありがとな、ヘラジカ陣営の皆。」

「これくらい楽勝でござる!」


〜数分後〜


「両陣営集まったでありますな!ゲームを始める前に、この声に慣れておくであります!作者殿!ついでにゲームの説明もよろしくであります!」

【はいは〜い!今回一瞬出番がないんじゃないかってヒヤヒヤしたよ…】

「作者殿ってこんな声なんでござるな。」

「了解ですわ。」


【では!ゲームのルール説明です!このゲームは両陣営には『駅』を作ってもらい、どちらが先に駅を作り終えるかという競争になっております。】

「昨日の夜話していたのはそういうことだったのか。」

「なかなか面白そうだね。」

【ヘラジカ陣営は平鹿城駅、ライオン陣営は輪胎公園駅です!ただ、輪胎公園の方が大きな駅で、かつ人数もライオン陣営の方が少ないので、ハンデとして作業員二人はどちらもライオン陣営に回ってください。そしてビーバーさんはヘラジカ陣営側、プレーリーさんはライオン陣営側に入ってください。】

「了解であります!」

【ただ一つ条件があります!その駅に『その土地の目印になる何かを入れること』です!】


【ではよーい…スタート!】


 そしてゲームが始まる。みんなは話し合いを始めているが、ひときわ大声を出している奴がいる。


こいつだ↓


【さあゲームが始まりました、実況は私作者と、解説は私作者でやっていきます。解説の作者さん、今日はよろしくお願いします。どうぞ、よろしく。】

「作者さん、うるさいっスから実況だけでいいっス。」

【ウィッス。まずは両チーム共に駅になにを盛り込むかから始まります!おぉっとぉ!?両チーム共に作り始めました!こんなに短時間で考えられたのは純粋に賞賛に値します!えっと、ここで情報が入ってまいりました。輪胎公園駅にはタイヤの形を、平鹿城駅にはヘラジカのツノのかたちを盛り込むそうです!】

「ここはこうして、こうするとうまくいくっスよ!」

「ここはこうしてみたいな…」

「じゃあここをこう組み替えるとできるっスね!」

「すごい!」


【さて、経験者数的には不利なヘラジカ陣営ですが、そこをどうカバーしていくのか。おっとぉ!?ハシビロコウも指示にまわるようだ!】


(プレーリーさんは今頃何してるっスかね…)


「ビーバー…ビーバー!」

「はっ!どうしたっスか?」

「次の指示をお願いするですぅ!」

「わ、わかったっス。次はここを作るっス!」


(プレーリーさんなら…こんなに時間はかからないっスよね…)


〜その頃輪胎公園駅付近では〜


「輪胎公園はいつも合戦やってるからさ、観客席を作ってそれに駅を直結させたりしてみないか?」

「ほうほう、それ面白そうだなぁ!」

「でも合戦に行くフレンズたちも通れないといけないから…それとは別に合戦場に出るための出口も作ろうか。」


(ビーバー殿は今頃何をやってるのでありますかね…)


「プレーリーさん…プレーリーさん!」

「はっ!気づかなかったであります、どうしたでありますか?」

「ちょっと曲がってる気がするから修正してもらえるか?」

「えっ、そんな…本当に曲がってたであります…修正するであります!」


(ビーバー殿なら…すぐミスに気付くであります…そしてそのミスも修正せずにデザインに含んでくれるであります…)


【おぉっと!?ビーバーとプレーリーの手がおろそかになってきた!これはあれか!?あれなのか!?】

「語彙力皆無かよ…」


〜数時間後〜


【さあ、いよいよ大詰めになってきました!両陣営とも完成まであと少しです!おっ!両陣営、共に完成です!これは引き分けでいいのではないでしょうか!両陣営に盛大な拍手をお送りしましょう!】

「あ、あの…」

【ん?】

「駅名標ってどうするっスか?」

【あ、あぁそれなら後で作業員がつける手筈になってるから大丈夫だよ!じゃあ、いつもの4人は次の駅の建設のために線路伸ばそうか。】

「そうっスね!」

「楽しかったよ〜!」

「うむ、そのまま真っ直ぐ線路を伸ばしていけ!」

「真っ直ぐ伸ばしたらパークの外でちゃうでありますね!」


 そう言って笑う皆。穏やかなひと時はすぐ過ぎ去って行く…


【だからってシリアスになるわけじゃないけど】

「急に何言い出すっスか!?」

「まさかナレーションにもツッコンでいくなんて…この小説いったいなんなんだ…?」

【ん?者張鉄だけど?】

「いやそうじゃなくて…」

【いや、楽しい時間ってはやく過ぎるじゃん?そういうことを言いたかったんだけど…】

「あっ、そういうことか。」

「なら他にいい言葉あったんじゃ…?」

【言葉が出てこなかったんだよ!】

「えぇ…」

【だからって俺は止まらねぇからよ…】


 こうして夜は更けていった…


〜その頃中村橋富雄と拾った子供は〜


「ジャパリパークは今、ヒトは入っちゃいけないんだ。」

「でも…あいつから逃げるために出てきたってのに…なんでここに連れてきたんだ…」

「うるさいわね…あなた何事?」

「げっ…見つかった…あ、あのこれはだな、決して隠し子とかそういうんじゃなくてな…」

「…わかってるわ。」

「とりあえず紹介しとこうか。私の妻の…」

「『中村橋 みみほ』よ。」

「まさか…お前は!もしかして…!」

「旧姓で言った方がいいかしら。」

「当ててみていいか?」

「ええ。「相幸あいこう みみほ」」

「やっぱりだ…!お母さん!」

「えっ…えっ!?」

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