第92話 アイギスが少女を一人連れ

 アイギスが少女を一人連れ、ノリトの元へと向かう。

傍らの少女は、その身形からアイギス同様に魔法師の様であった。


『ノリト殿、準備は宜しいですかな? 』

アイギスが入り口のドアへと声を掛けた。

インターホンの様な物は無い。 ドアその物がそういった機能を有しているのだ。


ドアがスーッと開き、中からミオが姿を現すと

「アイギスさん、おはよう御座います。

準備は良いのですが、その前に紹介を済ませたい者がいるのですけど…… 良いでしょうか? 」


『ああ、構いませんよ。 こちらも一人ご紹介せねばならぬ者がおりましてな 』

アイギスが傍らの少女を手で指し示した。


「そうですか。 ではここでは何ですから、中にお入り下さい 」

そう言って二人をハウスユニットへと招き入れた。


リビングへと通された二人が最初に目にした者に両の眼を見開くと一瞬固まった!

ノリトは思う…… 嗚呼やっぱりか。

「アイギス殿、これはですね…… 」

『これは! 恐れ多い! 』

ノリトが言葉を掛ける間も無い程の素早やさで、二人が跪き頭を垂れた!?

「えぇぇ! ちょ、ちょっと待って下さい! どうしたのですか? 」

ミオが慌てて声を掛ける

『ここに御座おわしますのは、白銀の竜姫・・・・・様では!? 』


それを聞いて、ノリトは慌てて訂正をする。

「!? すみません。 これは半蔵と申しまして、私の部下になります。

本来の姿は違っていたのですが、こちらの世界にあわせて姿を変えたのです…… 」

『では…… この御姿は…… 本物では無いと? 』

「はい、誠に申し訳ないです。 こちらの雷蔵も同じなのですが、問題が無いかアイギス殿に確認をお願いしたかったのですよ。 兎に角、いきなり連れて行かなくて良かった様ですね 」

ノリトは出もしない汗を拭う仕草をみせると、アイギス達へ頭を下げた。

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