第36話 予測……でしかないのですが。

『ふむ、ノリト殿は、ほぼ核心にたどり着いておるのではないかな? 』


「予測…… でしかないのですが。


私の世界のでの話なのですが、人が亡くなり天へと召された時、肉体を捨て魂のみとなると考えられています。

しかし、その魂だけの存在になったにも関わらず、生前の姿・・・・を見たと言う人が多数居るのです。


これは私の仮説なのですが。

人の持つ身体、……この姿形は魂の形・・・を模しているのでは無いか、と考えています。

もしも、人の魂に形があるのなら、その形は人の姿形そのものでは無いのかと。


皇女殿下は、その魂の形・・・、本来の姿を見ることが出来るのでは無いかと。

私のこの身体に、魂があるのかは疑問ですが、鎧の身体ではなく真の姿…… 

人の身体で在った時の私の姿を見てお話し頂いていると考えたなら。

皇女殿下のされた、幾つかの言動も納得ができるのです 」


三人は言葉を発せ無かった。

ノリトの予想した事が、核心を突いていたから……

たった数時間を一緒に居ただけで、シャルルの秘密を看破したのだから。


『ふ~ぅ、 ノリト殿は良く見ておられるな。

シャルルは…… いや、亡くなった我の息子もそうであったのだがな。


シャルルには人の姿は、重なって見えるそうだ。

本来の姿と、魂が持つ本来の姿とが…… 


アルフォンスは、その能力を完全には受け継がず、魂を色として認識しているのだったな 』


『はい、私の場合は色の変化で、その人の感情・・・・・・状態・・を視る事ができます 』


「姿が重なって? 色の変化…… 」


『そうなのです…… 』


その声に四人が振り向くと、其処には湯上りの三人が佇んでいた。

『シャルルよ…… 』


『御祖父様、私は大丈夫ですよ。 

それに、御祖父様が良いとご判断されたのですから。ノリト様には知って頂きたいという気持ちも、少しありましたから 』

失言も一杯しましたし……


『私には二つの姿が見えるのです。

ただ、常に視ていると言う事ではないのですよ。

意識して視ることで魂の形・・・が視えるのです 


それと、ノリト様も魂の形・・・は視えるのですから、そのお身体に魂は宿っているのです 』


「この事を御存知の方は 」


『そう多くは居らぬ。 心の置ける家臣のみだな 』


『そこのエストも知っておる。 

彼女は王室付きの聖騎士でもあり、聖魔法師・・・・でもあるのでな 』


聖魔法師・・・・、王家専属魔法師ではないのですか? 」


『ノリト殿、彼女は色々と特別なのですよ。 

何れその件も相談にのってほしいですな 』

アイギスが笑いかける、エストの件は後ほどと言う事だろう



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