第13話 魔力ランク等の鑑定が執り行われる事になった。

ノリトとミオの、魔力ランク等の鑑定が執り行われる事になった。


鑑定は観測用魔法具と言う物で調べるとの事だ。

使用される観測用魔法具とは希少な物で、作製出来る魔法師が非常に少ないらしい。

このアスガルド王国にも一人しか居ないそうだ。


アイギスの指示の元、魔法師が魔力ランク観測魔法具・・・・・を持って来た。

ノリトとミオの前に置かれたそれを・・・、アイギスがセッティングする。


 今目の前にある物は、良くある物語のように、肉体的なパラメーターやスキルと言う物が表示される訳ではないらしく・・・・、魔力特性と魔力量や魔力強度と言った魔力ランクが表示されるらしい・・・

魔力特性は水・火・地・風・等のエレメントがあり、得意な特性の物になる。

魔力量はその者の持つ魔力の総量である。

魔力強度は特殊で、火の初級魔法を使った場合の術式強度になる。

これは個人差があり強度一と二では二のほうが術の発現する規模や効果が上昇するそうだ。


(……らしい・・・? もしかしたら…… もっと、測定範囲の広い物があるのか? )



「準備が出来ました。 お一人ずつ板に手をかざしてください 」


「こう…… かなぁ 」


板に手をかざすと、現在のミオの魔力ランクが表示される筈だった……


『なにっ…… やはりと言うか、だが…… 

何故魔力は表示されて……

と言うよりも振り切って表示されぬのか? 

それに…… 魔力強度も同じくか。


ミオ殿、魔法は使えぬ・・・様であるのだが、魔力は異常に多く強度も高いという……

何とも不思議な結果であるのだが 」

アイギスの表情がぎこちない、王へと目配せをしているようにも見えたのだが、ミオもノリトもスルーする事に決めた。

と言うのも…… 数分前の二人の会話は


(ミオ、アレは不味そうだな。 

少し待ってもらえるか。 すぐに解析して対応する。 二分程度で良い )


(了解! 準備できたら教えて )


(よし、準備OKだ。 偽装を開始する )


(じゃ、はじめるね )


そして結果は見ての通りであった。


「では、次は私ですね 」

そう言ってノリトが手を置いた。 

結果は…… ミオと同様だった。

それを静かに見ていた集団が色めき立つ!


『いやはや、どういう事だ? 少し…… 』

アイギスが言葉を言い終わる前に、声が上がった!


「二人とも、能無しですか…… 」

「あれだけ…… 大層な事を言って、能無しですか! 」

「あはっ、聞きましたか? 能無しですよ 」


ノリトは予想通りの反応に溜息をつく

「やれやれ、俺が・・言った事が伝わっていなかった様ですね…… 」

王とアイギスへと視線を向けながら呟いた。


横に居たミオは背筋が凍る感覚に、慌てて視線をノリトへと向けた!

「もっ、もうぉ、手遅れにゃ……ぁ

ノリトが【俺が・・】と変わってしまったのにゃぁ……ぁ

もう、止められないのでスよぉっ!! 」

ミオがアイギスへと縋り、涙目で訴える。


「これは…… しっ、試練だと思って…… ゴキュッ 」

息を呑む音を響かせ 


「諦めて下さいぃ…… 」

ミオは崩れ落ちた……

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