第6話 横に居た女は焦りを隠せない!
横に居た
(お……おまっ この床を、あの動作で砕くかよ!
普通に考えても無理だろ!
何やってるの?
お、落ち着いてくれぇ! 頼むよぉ~ )
(何を慌てる? 大丈夫だ、唯のポーズだが )
(絶対、……絶っ対に嘘だぁ!
その背後に纏った、揺らめくオーラはいったい何? )
しかし、そんな意識下での遣り取りをしていると。
その場の静寂と緊張を打ち払うかの如く、突然走り出す影が見えた!!
パシッーンッ!!
と、室内に響く音。
騎士団長の横っ面を、豪快に引っ叩いた者がいたのだ!?
「ひ、姫様…… 何をなさるのです? 」
その突然の出来事に、騎士団長は動揺を隠せずにいた。
ただ、その者を見詰め固まるしかない。
騎士団長を引っ叩いたのは皇女殿下だったのだ!
姫も騎士団長をだた見詰める。
その瞳は揺れ熱いものを湛えていた!
周りの者達は息を呑み、唯、二人を見詰めるしか出来ない。
(おっ!おぉ!!…… あの姫様、良いねぇ! )
『よ、よくも…… その様な事を言えますね!
民を護りたいが故に、その身を犠牲にした方達を……
その者達を侮辱できますね!!
貴方には出来ますか? 貴方がたには、その覚悟が…… あると言うのですか!? 」
姫は震える声を必死に抑え、騎士団長へと訴えかける。
「わ、私にはその様な覚悟は持てません……
皆様に、騎士である貴方がたに護って頂くだけの……
力など無い、矮小な者です。
でも…… 気持ちだけは。
民を、弱き者を想う気持ちだけは持っております!
さあ! 答えなさい! 」
姫は、目の前にいる騎士団長へと問いかけた。
そして、周りにいる嘲笑した騎士達をも睨み付けた。
部屋には再び沈黙が訪れる。
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