第24話 作戦開始!!
『それでは、再度作戦について確認します』
兵士たちは耳に付けた通信機から聞こえる副官の声を聞きながら装備品の確認を行っていた。
人命救助をする者は最後尾の格納庫で装甲車に乗りエンジンを暖め、車両を防衛する者は機関砲に弾倉(マガジン)を取り付けていた。
そしてアーデルベルトたちは陽動のために快装車両に火器を積み込んで乗り込んだ。
快装車両とは博士の作り出した高い強度を誇る合金板を使用した装甲車であり、高い機動性を持つ。
その強度は装甲貫通弾(アーマーピアス)をもってしても変形するのみであり、またこの車両には博士のロマンが詰まっている。
ただし、合金の生産コストに加えて博士のロマンが詰め込みきれず、数が数台のみしか生産されていない。
「あなたがアーデルベルトさんですね」
車両の後部にて銃や装備品の確認を行っていると声がが聞こえてくる。
アーデルベルトが声の方へと視線を向けると開いていた扉の外に兵士が立っていた。
「お前は?」
「あ、申し遅れました。自分は第9班 班長をやらせてもらっています。ホルス・アルターです。今回は一緒頑張りましょう!」
彼は元気よくそう言うとアーデルベルトに向けて手を伸ばす。それにしっかりと対応し、短い握手を二人は交わす。
「あぁ、こちらこそ、よろしく頼む」
「いやぁ、自分は光栄です。まさかあのアーデルベルトさんと一緒に作戦に出られるなんて」
あいさつを交わしているとキキキッと音を立てて列車が止まる。
どうやらそろそろ始まるようだ。アーデルベルトたちは急いで車に乗り込み準備する。
「運転は頼むぞファイク」
「はい!」
ガコンと音がなったかと思えば車の向く方向の壁が倒れていく。
同時に列車から無数の無人偵察機(ドローン)が展開。副官のいる部屋のモニターにドローンからの映像が映し出される。
化け物の特に集まっている所。町の地図でその箇所にあたる位置へマークを付けると陽動班であるアーデルベルトたちの車両へ。
取り付けられたナビゲーションテレビに反映させる。
同様に列車の周辺を探索する班には逃げ遅れた住民の位置を、集まって隠れている住民たちを救出する班にはその集まっている位置を各々の手にする機器へと反映させる。
「それでは作戦を開始してください!!」
モーターの駆動音と共にゆっくりと傾いていった列車の壁。それは床と水平になり、更に傾き最終的には地面へと到達する。
壁が町へと降りるための坂になると同時に副官の号令がかかり、車両が土煙をあげて順に発進した。
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