第17話 ギリギリ
そして登校日当日、 この三週間不健康な生活の俺にはきちんと起きれるはずがなかった。 下から母さんが呼んでいる。
「風早く起きないと遅刻しちゃうよ!」
遅刻とは魔法の言葉だと思う、 その声に俺は気づいて飛び起きた、 クローゼットに入っている制服を取り出し支度をする。 服に着替え終わるとすぐに下に行き歯を磨く。
「やべ! 遅刻する、 おにぎり置いといて」
俺の朝ごはんは母さんが毎朝握ってくれているおにぎりを中学の時は登校しながら食べていた、 高校になりちゃんと家で食べようと決めたいたがやっぱり癖は治おらない。 歯磨きも終わり顔も洗い終わる。 テーブルに置いてあるオニギリを持って玄関前に行く。
「じゃあ母さん行ってくる」
そう言って家を後にした。 前みたいに全力疾走し学校には五分でついた。
「前とおんなじ感じだな」
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そんなことを思いつつ学校が見えてきた。
「セキュリティー強化とはいってたがどんな風になんてるんだろ?」
俺は学校の前までくると前とは見違えるほど違っていることに気づいた。
「いやいや待てよ、 こんなの三週間で終わる工事なのか?
校門前には前までなかった大きな壁が建っている、 その壁の前には先生が立っている。
「君名前は?」
「藍井風です」
そういうと何かを手渡した。
「これがないと中には入れないから無くさないように」
もらったカードを通して中に入る。 上を見上げると、 何やら貼り付けられている。
「なんだあれ?」
そう思いつつ歩いていると学校のチャイムがなる。
「いや! やばい!」
俺はそこからダッシュで教室に向かった。
そして教室の前まで来て扉を開けると、 先生が俺に指をさして言った。
「こらこら初日から遅刻はいけないな」
その声は重量芳樹先生の声だ。
「とりあえず今席は適当に座ってもらっているから、 空いてるところに座りなさい」
俺は周りをキョロキョロすると明日雨と矢代と京川さんが手招きしている。
「こっちあいてるよ!」
「来い来い!」
「矢代の隣に移動するわ」
明日雨がそういうと京川さんの隣が開く。
(嫌じゃないけどまじか)
そして席に着いた。 俺が席に着くのを見て先生は出席簿を置く。
「じゃあ欠席は五人か......」
そして先生は服装をただして言う。
「ほんとうに......」
言いかけたが舞楽さんが割り込む。
「気にしなくてもいいですわ」
そう言うが先生は深く礼をした。
「そして今回セキュリティーの強化をしました、 学校の周りに見えないものが貼り付けられている」
(あれ? 見えないもなのに俺さっき見えたぞ?)
「それに引っかかれば警報が鳴る、 それと窓を外から触れると警報が鳴るので気をつけるように」
それだけいい先生は教室を後にした。 誰が見てもわかる、 先生はとても緊張していた。
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先生が出た後名前を呼ばれる。
「知ってるか藍井、 今日来てない生徒は親から許可をもらえなかったらしいんだ」
俺の耳元で矢代がそう囁いた、 大体予想はしていたが五人は多いと思った。
すると何かを言い忘れたのか先生が戻って来た。
「言い忘れてた! 今から運動場に集合! 十分後点呼」
おそらく始業式だが外でやる必要あるのか? そして再び教室を後にした。 その後すぐに俺たち四人は立ち上がり運動場に向かう。 そこで気づいたことがある。
「おい、 運動場ってどこにあるんだ?」
普通なら校舎の隣にあるはずだがここには運動場らしきところは見当たらなかった。 他の三人は声を合わせて言う。
「知らんなー」
「わからん!」
「明日雨! 先生に聞いて来い!」
京川さんが周りを見る。
「舞楽さんに聞こうかなって思ってたんやけどもう中にいないなー......とりあえず外に出よう?」
とりあえず俺たちは教室を出て階段で下まで行く。
「十分あるから探すか、 途中先生と会ったら聞こか」
そして俺たちは運動場を探すことになった。
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「お前なかなかやるなー」
ボスを前にして二人は正座をする。
「ああ......後俺とキラーは何をすればいいんだ?」
そういうとヒロシが二人の隣に正座をする。
「ヒロシと一緒にモーラスを殺せ」
(ウインドだったか? あいつのボスになんかようなのか?)
「なぜ......」
キラーが口を抑える。
「いい部下を持ったもんだなー流羽君よー......まあ今回は教えてやる......田波にモーラスのアジトに潜入させた」
「田波? 誰だそれ?」
「まあいい話を聞け、 あいつらお前たちのことを殺す計画を立てている......俺もお前たちが死んでしまうと損なんだよ」
「 なるほど......計画が実行される前に殺せばいいんだな?」
ボスは後ろに歩き出す。
「キラーは話が早くていいな、 その通りだ......動きはお前たちに任せる、 位置だけは教えといてやる」
何か不満があるのか流羽が聞く。
「俺たちがいなくなったら損なんだろ? なのになんで俺たちが戦わなければいけないんだ?」
そのことには何も答えずその場を後にした。
「......なんなんだよ! あいつほんとうに腹がたつ、 キラーお前も片手ないのに戦えんのか?」
ヒロシが立ち上がり指示を出し始めた。
「俺と田波がいるからなんとかなる」
そいつの顔は何か自信がありげだった。
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