第16話 想い
それから母さんとその話をすることがなかった。
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そして日が立ち三週間後、 その間明日雨が言った通り俺らは毎日夜通話をした。
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朝起きると携帯が鳴っていた。
[ブー]
俺はすぐに確認してメッセージを見る。
「......京川さんか」
そういい内容も見ずに再び寝ようとするがまた携帯が鳴る。
[ブー]
「今度は誰だ? 舞楽さんか」
俺は返信することを決めた。 その内容は。
『学校の登校日が決まりましたわ......明日です!」
俺はウンとだけ送って今度こそ寝る。
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そして眼が覚めるとそのメッセージが来てから五時間が経った。
「だいぶと寝たな、 明日起きれるかな?」
俺は一階にいる母さんにそのことを言う。
「前まで来たけど言いづらいな......」
あれ以来学校のことは話していない、 だけど結局は言わないと行けない時が来る......それは今だ。
「あーと母さん?」
俺は恐る恐る母さんに近づく。
「ちょっといいかな?」
そういうと母さんの顔はあの時みたいだった。 そして部屋に移動して座布団に座る。 そして話を始める。
「えっと学校のことなんだけど......明日が登校日なんだよな......」
その時の空気は過去最悪と言っていいほど悪かった。 母さんは何も言わずに話を聞く。
「俺は母さんがあの学校に行くことを反対しても俺はあの学校に行く、 絶対に......」
俺は母さんに本音をぶつける、 親からしたらあんなことが起きた学校には行かせたくないのだ。 さっきまで黙っていた母さんが口を開く。
「なんでそんなにあの学校に行きたいの?」
俺はすぐに答えた。
「あそこではいろいろなことが学べる気がする、 母さんが心配するのはわかるけど、 母さんは俺に言ったよね? 俺が小学生の時」
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そうあれは小学生の時母さんに言われた一言が今でも覚えている。
「風が決める道は絶対に口出ししない、 自分が思うように進めばいい」
俺はそう言い母さんの顔を見た、 とても悲しそうな顔だった。
「......だけどね、 母さんは心配なの、 もしも取り返しのつかないことになったらって思うと」
そのことには反論できなかった、 なぜならあの事件が起きてまだ敵が俺たちのことを標的にしているかもしれないからだ。
「先生達は一生懸命生徒のために動いている、 あの時だって校長の判断が早かったおかげで俺たちは助かったんだ」
母さんにはあの時に起きたことを言っていない、 俺がそれに巻き込まれたっていうことだけ知っている。 俺はここであの事件のことを言うと決めた。
「話し長くなるけどあの時何が起きていたか一部始終言うから聞いてて」
そして俺はその時起きたことを一部始終言い母さんは自分の子が危険なことをしていたことを知った。
「だけどあんなことをしても俺は無傷で帰ってこれたんだ......」
こんなことを言うともっと心配されると思ったが言うしかなかった。
怒られると思ったがそんなことはなかった。
「風は私が思っていた以上に成長していたんだね......考えかたも私より上、 なんの根拠もなく先生のことを疑っていた.......ごめんね風......私親失格だね」
母さんは俺が学校に行くことを許してくれた。 泣いている母をそっとして俺はその場を後にしギリギリ聞こえる声で母さんに行った。
「母さんは立派な母親だよ」
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そして自分の部屋に戻って携帯を見るとメッセージがいっぱい来ていた。
『明日雨! お前許可もらえたか?』
『ああもらえた、 藍井は?』
俺はその時親と話をしていた。 返事がこなくて俺が許可もらえなかったんじゃないかって言う話も出ていた。
『風くん許可もらえなかったん?』
『藍井ー!』
みんなより十分遅く許可が出たことを連絡した。
『すまん時間かかった、 許可もらえたぞ』
すぐに既読がついた。 一斉にメッセージが飛んで来て重くなった。
『これからもよろしくな!』
『遅いぞ!」
『風くん! よかったー! ちなみにあのこと気にしてないよ!』
(ここでそんなこと言うなよ!)
案の定矢代と明日雨が出てきた。
『なんのことだ?』
『明日雨どうせあのことだろ! 学校でどうなるか覚えとけよな! なあ増田!』
『あ、 ああ』
俺はいつもと違ったメッセージを送った。
『あぁ、 楽しみにしてる』
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なんやかんやあったが他と約一ヶ月遅れで学校が始まることが決まった。
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