第12話 心配

 俺たちはクラスメイトが入院している病院に着いた、 中はとても忙しそうだ。

「忙しそうだな」

(京川さんたち大丈夫か?)

「そうですわね、 では私聞いてきますのでお待ちください」



 そういい看護師に話を聞きみんながいるところを聞く。

「舞楽だっけ? あいつ流石だな」



 明日雨がそう言い砂井も頷く。

「私も流石だなと思う」



 すると矢代が自分の胸に手を置き二人に言う。

「俺は? 俺も流石だっただろ?」



 それに関しては二人は何も言わず舞楽さんの誘導により病室に向かう。

「おーい! おーい!」



 流石に可哀想だったので俺は矢代の方に手を置く。

「お前も流石だぞ」



 そう言って俺もみんなについていく、 矢代の方を見るととても喜んでいる様子だ。


---

 

 そしてみんながいる病室についた。 ドアを開けると中にはクラスメイトがいた、 だけどクラスメイトは俺たちのことを知らない、 逆に知っていたら怖い。 舞楽さんが先頭に立ち話を始める。

「初めましてですね、 私の名前は舞楽ももです」



 俺たちは舞楽に続いて自己紹介をした。 そして最後に大前が出る。

「初めまして、 大前雄大だ、 今回は俺のせいでみんなを怪我させしまいほんとうに申し訳ない......」



 みんなの前で礼をする。 それを見たみんなは止める。

「違うの! 違うんだよ? この程度の怪我で済んだのはあなたのおかげなの、 謝らないといけないのは私たち、 本当にごめんね、 後私の名前は......」



 彼女が名前を言おうとした瞬間再びドアが開く。

「失礼します」



 医師が来た、 医師は一礼をし俺たちに戻るように言う。

「今から検査があるから」



 俺らも一礼し外に出る、 舞楽さんは一言を言って外に出た。

「ちぇ! みんなの名前知りたかったのにな!」

「仕方ないですわ」



 俺は最後に何を言ったのか気になったので聞いてみた。

「最後なんて言ったんだ?」



 すぐに俺の方を向いて返してくれた。

「今後の予定ですわ」

(すっかり忘れてた......やっぱり流石だな)

 そして俺たちは一旦病院の外に出る。


---


「これからどうする?」

 空を見るともうすっかり夜だ。

「あ! 私......もう......帰らなきゃ......」

(立花さんの声久々に聞いたな)

「あーもう夜か、 じゃ俺も帰ろうかな」



 帰ろうとする明日雨を捕まえる。

「お前は待て! 立花さんはいいよ! でも夜だから気をつけて帰れよ」



 そして立花さんは先に帰っていった。

「俺も帰りたいんだが......疲れたし」


 矢代はしつこく明日雨を止める。 だがみんなもう帰る気だ。

「じゃあ俺も!」

「私も」

「遅いですし帰りますわ」

「私ももう帰ろうかな」



 矢代は明日雨を捕まえたまま増田も捕まえる。

「お前は帰らないよな!」

 そう言うが増田も帰る気だ。

「すまんが俺も帰らせてもらう」



 最後の希望大前にも聞く。

「大前は?」

「すまん、 俺は行かないといけないところがあるから」



 そう言ってここを後にした。 残るのは矢代だけだ。

「みんな帰るのか! ならお願いがある!」



 みんな耳を傾ける。

「連絡先交換しようぜ!」



 そう言いながらポケットからスマホを出す。 矢代に続きみんなスマホを出したので俺もポケットから取り出そうとしたら画面が割れていた、 一応動かす事はできるが画面が見づらい。

「今日の出来事で割れたか」



 そう言いみんなの連絡先を交換し、 矢代が作ったグループに招待された。

「みんな入ってくれ!」



 そしてここにいる七人の連絡先交換が終わりそれぞれ帰る準備をする。

「じゃ私は帰りますわ」



 舞楽さんに続いてみんなが帰り出す。 矢代は大声でみんなに言う。

「また連絡するから! 返事してくれよな!」



 みんなが帰ったのを見て俺も帰る。 すると矢代と明日雨が俺のことを止める。

「お前は居残りだ」

 その声はもう帰ると言っていた明日雨だ。

「お前帰るんじゃなかったのか?」

 その事は無視をし俺は明日雨に引っ張られながら進んでいく。


---


「どこにいくんだ? 俺親に連絡しないとやばいんだが」



 そしてやっと足が止まった。 矢代が俺と明日雨の肩を持つ。

「俺の家に泊まっていけ!」



 流石に人様の家に行くのは気がひけるから断る。

「いやいいよいいよ、 親に迷惑かかるし」



 そういうと矢代が嬉しそうに言う。

「俺今日から一人暮らしだから遠慮すんな! お前に拒否権はない! いくぞ!」



 そう言われて俺はまた引っ張られながら連れて行かれる。

「いやああ待ってくれ! 親に電話させてくれ!」

 そういうと止まり離してくれた、 そのうちに電話をする。



 すぐに親に電話をかける。

「もしもし風だけど今日友達の家に泊まることになったけど......」



 今まで聞いたことのない声で母さんが電話で話す。

「風! 大丈夫だった? 怪我はない? 母さん心配で心配で、 何回も電話はしたんだけど繋がらなくて」



 俺は着信履歴を見た、 何十件と履歴が残っていた。

「出れなくてごめん、 とりあえず俺は大丈夫だから心配しなくていいよ、 後さっき言った通り今日は友達の家に泊まる事になった」



「怪我なくて本当に良かった......友達って高校の?」

「うん」

「男だよね? まあわかったわ明日元気に帰って来てね」

 そういうと電話が切れた。



 それを見計らった矢代が再び俺を捕まえて歩く。

「じゃあ二人とも俺の家にいくぞー!」

 そして俺たちは矢代の家にいくことになった。

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