第10話交代

「三人とも......来た......」



 指をさして出口に向かってくる三人を待つ。

「悪い遅くなった!」


 みんなが固まる、 だが大前だけその場にじっとしていた。

「大前君も来てください」

「こないのか?」


 大前はその場にじっと立ち止まっている。 そして小声でみんなに言う。

「みんな......本当に申し訳ない。 俺が弱いせいでみんなに迷惑かけてしまった」



 彼は自分が捕まってみんなに迷惑かけたことを反省する。

「私たちこそ申し訳ないですわ、 大前さん一人に戦わせて......あの時ちゃんと戦っていればこんなことにも......」

「あの時揺らしていれば......」

「私が銃を作れば......」


 みんなそれぞれ自分の不甲斐なさを感じているのだ。

「......とりあえず先生のところに行こう」

 すると音が聞こえたのか振り返る。

「みんな無事か?」

 全員頷く。


「なにかあったのか? とりあえず無事でよかった! 先生と一緒に帰ろ」



 重力で抑えている敵が喋り出した。

「あーあー留美もうちょい楽しみたかったなぁ」



 そう言って地面の中に消えていった。

「逃したか......」



 そういい立ち上がり人数を数える。

「十一人......ちゃんといるな! 君たちさすがだな! 京川さんと跳躍君は私がおぶる」



 そういい二人を預けた。


---


「クソクソクソクソクソクソクソクソクソクソクソクソクソあんな未熟者に負けてたまるか!」



 生徒たちを追っていたキラーが帰ってきた。

「腕持ってかれた」

「痛そうだねー」



 キルリーはさっきから元気がない。 すると上で戦ってた留美と責任者が地面から出てきた。

「失敗か......情けないな」



 三人は責任者の前で土下座をする。

「申し訳ありません! 自分の力不足です」



 そういうと地面から五人組が現れた。

「敵!」

 


 責任者はキラーを止める。

「違う手を出すなよ、 こいつらは次の作戦の時協力する奴らだ仲良くしろ」



 ボスが責任者に次の作戦を聞く。

「次の作戦は何ですか?」

 とても爽やかな声の人が返答する。

「俺たちが今回の作戦を教えてあげる」



 ボスは五人組を睨む。

「そんな目つきでこっちを見ないでくれよ......流羽さん、 俺がボスなんだから」



 ボスは驚いた、 本当か確認するために責任者に目を合わす............頷いた。

「今日からこいつがボスだ、 流羽お前はこれからこいつに従え」

 それだけ言い責任者と留美は地面に消えていった。



「俺がボスなんだからしっかり話聞いてよ?」



 流羽は唇を噛みしめる。 そして拳に力を入れた瞬間何か強いものを感じた。

「なんだ?」

「ダメだよ? そんなことするともっと威力上げて潰しちゃうよ?」



 地面を叩きつける。

「クッソ!」

 それをキラーがおさめる。

「ボス落ち着いて」



 キラーのボスが気に入らず再びの能力を使う。

「君さー俺がボスだっていったよね? これから俺以外の人をボスと呼んだらもう一方の腕もなくすよ? わかったら言い直せ」



 言われた通りもう一度言い直す。

「流羽落ち着いて」

「わかればよろしい」



 そして話が切り替わる。

「作戦を説明しようか」


---


 俺たちは敵のアジトから出て学校に向かう。

「これ絶対怒られる! 行くのやめようぜ? みんな疲れてるだろうしさ! な舞楽さんよ!」



 舞楽さんはため息をする。

「それは仕方ないですわ、 今逃げても結局は捕まりますわ」


 矢代は渋々歩く。

 すると大通りに出ると他の先生たちがいた。 それに気づいた小梅がこちらに向かってくる。

「生徒を確認した! 集合! それと校長と電話を繋げろ!」



 先生達がみんな集まって来た。

「怪我人確認」



 そして重量 芳樹によって京川さんと跳躍君は小梅先生に渡された。

「どうなってもしらねえぞ」

「あぁわかっている」



 すると電話が繋がったらしい。

「校長だ! 生徒は無事か?」

「ええみんな無事です大前君もいますあとあいつも......」

「それなら良かった。 とりあえず学校に戻って来てくれないか?」

「わかりました!」



 そう言いい通話は終わる。

「とりあえず学校に行く、 みんなはぐれないように着いてくるように」



 小梅先生を先頭について行く。


---




 そして電話をして一時間後学校に着く。

「京川さんと跳躍君を病院に届けて後は会議室に」



 そう言い各自会議室に向かう。

「絶対怒られるって! お前もそう思うだろう? 藍井!」

「仕方ないことさとりあえず会議室に行こう」

「若井さんも行きたくないって!」



 いきなり若井さんは名前をばれて驚いていた。

「え......私は会議室に行きますよ?」

「はいはい行きますわよ!」



 舞楽さんに首根っこを掴まれて会議室前まで連れていかれたのだ。

「俺は嫌だああああああああああ」


---


「モーラスさん! 奴らに動きがありました!」



 興味を持ち話を進めるように言う。

「あいつら大前を取り返されたらしいです」



 モーラスは高笑いする。

「はっはは、 やっぱり教師は違うなー」



 否定する。

「教師ではなく、 生徒たちによって救出されたらしいです」



 それを聞いて驚いた。

「生徒達に戦闘負けたと言うのか......」

「ええ」



 再び笑う。

「でわつぎは我々の番だな」

 さっきより悪い顔をして言う。

「あいつらよりはできるところを見せつけてやりましょう」

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