第9話 最後の戦い

(ほんとだなあいつらが今来ていなかったら俺は)



 矢代が誰かに向かって大声で言う。

「行くぞー! 跳躍!」



 それと同時に跳躍が能力で高くジャンプし俺と大前の方に向かってくる。 矢代は能力で地面を揺らす。


「やばいぞ! ボスどうする? この状況で隠れても意味ない......」

 少し考える。

「とりあえずこの二人を持って逃げるぞ!」



 俺を背中におぶって味方に合図する。

「キルリーお前も行くぞ!」



 キルリーは返事はするがその場から動いていない。

「ええ! なにこれ! すごいよ! 動けない!」



 他の二人も動こうとするが動けない。

「ほんとだ、 なんだこれ! ボスどうすればいい? 指示を!」



 ボスは奴らを睨みつけている。

「俺がこんな奴らに負けるなどありえん! ありえんぞお!」



 そう叫ぶが能力により動くことはできない。 その間に跳躍が俺のところまできて敵に向かって飛び蹴りをする。

「てめえそいつを離せ!」



 能力のせいで抵抗できず手放してしまう。

「くそ! 逃げられるぞボス! 早く指示を!」

「やばいよ! 動けないよ! なんでえ」



 ボスは未熟者に負けるのとが気にくわない。

「情けない! ほんと情けない!」

「そんなことより早く指示を!」



 俺を助けた後に横に寝ている大前を抱く。

「いやおもてえな......だがこれでミッション成功だ!」



 そういい再び能力を使いジャンプする。

「惜しかったほんとに惜しかった! あと少しであの人とおんなじ顔になるところだったのに!」

「へ! なるもんか! ......とりあえず早く動けるようにならないかな?」



 矢代の能力により大前と増田と俺は動けなくなっていた。

「あなたはここにずっと居残りですよぉ?」



 そして俺と大前をみんなの方に届けた後に増田を助ける。

「増田!」

手を伸ばし捕まる。

「戻るぞ!」

「あぁ」



 そして再びみんなの方に戻ろうとした、 その時増田のすぐ隣にいたキルリーも一緒について来た。

「私も行くよ!」



 空中にいるので何もすることができない。

「離せよ! くるんじゃねえ!」

「キュートなお顔が見たいんですよ!」



「砂井さんあいつめがけて打ってください!」

舞楽の指示で砂井が準備をする。

「了解!」

(あの二人に当たらないように......)

[ドン!]



 それが見事敵の足に命中しその痛さで離してしまう。

「きゃああああああ! 痛いよ痛いよ!」

[ズドーン!]



 地面に落ちた。 それでもまだ奇妙なことを言う。

「キュートのお顔見せて!」



 俺は敵が落ちた後ナイフを投げたのが見えた。

「ナイフが飛んでくる! おそらくそいつは物を透明にできる能力だ!」



 するとキルリーはニコッとした。

「ほぼ正解! それと物を透明にし曲げることができる! これでキュートなお顔が見れる! そこのスナイパーの人もう弾がないみたいだし!」



 砂井さんが作ったスナイパーは2発しか弾が入っていない。 それによく気づいた敵......流石だ。

(なんでバレたの? そんなことを考えている暇はない二人を助けないと!)



 そして弾切れた時用にとハンドガン一丁も作っていた。 それをすぐに取り出し引き金を引こうとする。 だがそれを俺は一度止めさせる。



「さっき言った通り物を透明にすることができる! 奴は俺らと戦っている時何度かそれを見せた、 透明にして曲げる瞬間は当たる寸前だ!」



(......当たる寸前一発で当てることができるのか? しかも透明になり左右どちらかに動く......私にできるの?)

「お前ならできる! 任せた!」



 俺に続きみんな彼女に期待を乗せる。

「残念でしたね! エンドです!」

(みんな......わかった......)



 そういい彼女は引き金を引く。

(当たる寸前に透明に......なった! しかも右に動いた? なら右に打とう!)

[ドン]

「やべえ当たる!」

「任せたぞおお」



 それと同時にナイフが下に落ちる。 ハンドガンが命中したのだ。

「当たった!」



 みんなが飛んで喜ぶ!

「ナイスですわ砂井さん......二人が来たらすぐに撤退ですわ! 藍井さん大前さん動けますか?」

能力の効き目が切れた。

「動ける」

「動けるようになった」

「でわ京川さんをお願いします!」



 能力を使いすぎた京川さんは意識がない。

「わかった」



 そして二人が到着する。

「サンキュー! みんな! 砂井!」

「ほんと助かった!」

 舞楽さんが先頭に立ち指示を出す。

「そのことは後で行きますわよ!」



「ボス! 逃げられる!」



 その瞬間敵も能力が消えた。

「あいつらを追うんだ! 二人で!」



 キルリー床に倒れていた。

「キルリーお前も行くんだ!」

「私はいいわ」



 相当メンタルやられたらしい。

「ならお前だけでも頼む!」

「......指示が遅いんだよ!」


 そういい後を追う。

(ボス......あんたの方が未熟モノさ)


---



「早く出口に」

 みんなダッシュをするが後ろから敵がくる。

「やばい! 後ろから敵が! 俺はもう揺らすことできねえよ!」

「すまん! 俺も足がきつい!」



 その瞬間足を使いすぎて足が動かなくなりこけてしまう。

[バタ]

「痛てええええ、 足使いすぎた!」



 後ろから敵が来ているまた捕まるわけにはいかない。 その時明日雨が立ち止まる。

「お前らは先に行け!」

(確かこいつは俺と一緒能力無しなはずだ)

「......でも明日雨さん能力が!」



 能力無しに頼むのは少々厳しい。 みんな止めるはずだ。

「やめとけ! 俺も揺らすことができない! 万が一の時助けれねえ! しかも能力ないんだろう? やめとけ!」

「大丈夫だ! 行くんだ! 早く!」



 そういい舞楽は前を向き再び走り出した。

「わかりました......任せました!」



 矢代は小声で明日雨に言う。

「俺は待つからな!」

 そして矢代と跳躍と明日雨以外出口に向かう。



「あそこにさっきのジャンプのやつが! ...ちょうどいいさっきはよくもやってくれたな!」



 そういい跳躍を捕まえようとする。 だがそこが少しカーブがあったせいか二人の姿が見えていなかった。

「カーブで見えなかった! ここは引くしかないな!」



 敵は下がったが気づくのが遅かった。

「遅いぞ」



 明日雨は力を入れる。 するとそこは屋内なのになにかが降り始めた。

[ザーザーザー]



 それを避けた敵にギリギリ当たる。

[ジュー]



 その音と同時に敵の叫びが聞こえた。

「クッソ! 腕が持ってかれた!」

「もう敵は追ってこないだろう逃げるぞ!」



 跳躍をおぶり外に向かう。

(なんてやつだ......すごい......コツは掴めたとは言っていたがこれまでとは......)

 そうして三人も無事に出口にたどり着いた。

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