第6話成功

「じゃあ今から説明する、 敵アジトがそろそろだ舞楽さんを疑うわけじゃないけど一応本当にこの辺にアジトがあるのか確認して欲しい」


 彼女は目を閉じ今まで以上に集中している。 その間も舞楽さんたちとは距離が離れて再び注意しにこちらに向かってくる。

「離れないでって言いましたわよね? 次はもうないですわよ?」


 俺は喋りながら嘘を考えた。

「あ、 すまんすまん」

(おもいつかねえ)


 そう思った時に京川が適当に返してくれた。

「若井さん少しお腹痛いらしいそんで今休憩中、 ちょっとしたらついていくから少し待ってね」

(ナイスカバー!)

 視線を当てると手でグッジョブの形を作っていたのでこちらも返した。


---


「増田たちどうしたんだ? お前ジャンプで見てこいよ」


 砂井さんが俺たちを注意しに行き帰ってきた舞楽さんを手招きして呼んでいる。

「できたよ、 一応後衛部隊の人たち用も」


 砂井さんから銃を取り一般の人から見られないように隅に行きそれぞれに渡す。

「もうそろそろ着く予定ですわ、 持っててください。 あちらの四人は若井さんが腹痛で少し休憩しているそうです」


 そう言いながら指を指す......だが俺たちはもうそこにはいない。 舞楽がさした方に矢代が見つめる。

「おい舞楽さん、 あいつらいねえよ?」


 舞楽さんは一度俺たちがいた方を向きため息。

「何か企んでいると思っていましたがやっぱり!」


---


「ナイス! できるじゃん!」


 みんなが若井さんを褒めまくる。 だが安心している暇はない。 また使わなければならない時が来る。

「ごめんね若井さんあと数回頼ることになりそうだけど......」


 さっきまでの若井さんじゃないみたいだった。

「次も任せて!」

 

 おそらく今回成功したお陰で自信を持てたらしい。


---

 舞楽さんが注意に来てすぐのこと。

「どうだ行けそうか?」

「そう急かしたらいかんよ!」


 それと同時に目を開けて俺の方を向き言う。

「ここにはアジトはない......ここから十分くらい? のところにアジトはある四人くらいの足音がかすかに......ごめんね力不足で」


 俺は若井さんの手を引き合図を出す。

「若井さん指示お願い、 二人とも付いて来て」

 そう言い俺たち四人は本当のアジトに駆けつけている。


---


「あの藍井だっけ......あいつ流石だよな!」

 

 舞楽さんが焦った様子でみんなに言う。

「感心している場合じゃありません! とりあえず追いかけましょう!」

「そうだなわりな、 でもあいつらがどこにいったかわからないぞ」

 

 それならばと言わんばかりにポケットから位置情報が描かれた端末が出て来た。

「私たちは相手に騙されていました......おそらく藍井君は勘づいていたのでしょう」

 

 一旦ジャンプをやめて話に入ってくる。

「でもよあいつ能力持っていなかったはずあと若井さんだっけ?」

「その辺はわかりませんが恐らく若井さんか藍井君の能力でしょう」

 

 ここずっと喋っていなかった明日雨が話に入って来た。

「俺もなんかあいつらごそごそやってたから怪しいと思った、 舞楽さんも怪しいと思い注意しに行くプラス能力を使ったってわけだよね」

 

 一同が驚く、 今までずっと話さなかった明日雨がすごいと言うことに気づいた瞬間だ。

「流石ですはね、 その通りです! とりあえずこんな話をしているうちに四人との距離が離れて行きます! 私に付いて来てください!」

 そう言い他も四人に合流するために向かう。


---


「うわぁ来ました来ました! 留美楽しみ!」


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「この辺だな? すまんがもう一度使ってくれ周りは俺らが見る」


 再び目を閉じて集中する。 さっきより早いタイミングしかも今までと違う焦っているトーンで言う。

「上に誰かいます!」


 サイコパスのように笑いながらこちらの頭上に知らない人がいた。

「危ない!」

「もう遅いですよ! いただきます!」


 俺と若井は後ろにいたから標的にはならなかったが前の二人が危ない

(狙いは京川さんか)

「避けろ!」


 その瞬間すごい煙が舞う。

「なにこれ! 留美こんなの求めてない!」


 その瞬間増田君と京川さんは後ろに倒れた、 その場にいた俺たちにもなにが起きたかわからなかった唯一わかったのが二人は無事だと言うこと。

「危なかった危なかった! よくここがわかったね」

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