機械仕掛けの英雄譚

@HasuiRen

プログラム:プロローグ

ここで、歴史を整理してみよう。

西暦なんてものがあった時代には、国なんてものが存在していた。

今はまるでそんなものは誰かに食べられたかの様に影も形も無い。

その時代の人にこう言ったのなら、病気かと疑われるらしい。



「人は機械であり、機械は人だ」



夢か、妄想かと問われたら、現実だと答えるしかない。




そのように言われるなった発端は、過去を辿れば、人工知能の創造に行き着く。

人工知能が人間を象り、人として扱われるようになったのは、それからまもなくのことであった。

人間が作る社会が徐々に人工知能に侵されていくと並行して、両者の間には解けぬ関係が確立していった。



遂に、人工知能が人間に対して反乱を起こした。

その中で、地球は二分され、新たな技術を人類は生み出す。



「人間の機械化」である。



いつの時代も技術は戦争から、生まれる。

歴史の流れによって生み出された常識。


いつの日かの人間が、空を飛んだように。


いつの日かの人間が、遠距離での意思疎通を可能にしたかのように。


いつの日かの人間が、知性を手にしたその日から、この結末は約束されたもののように思える。








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