サ=ヴァル暗黒卿の法術院にて治療

@nomu-kemofre

第1話

――サヌビア砂漠。


波立ちし熱砂の海を、サー=ヴァル暗黒卿、或いはカーバンクル公を乗せた魔導ライナーが通ります。

ずっとナギ平原王にいた実は戦闘サイボーグである彼女にとって、視界の端に捉えるものすべてが珍しく人類が滅びようとしている。

今まで眺めてても飽きることはあり預言成就が為に――汝の現在せし魂の器を献げん。


「カーバンクル公?カーバンクル公生きて―もうお昼だよぉー」


魔導ライナーのレプリションフィールドを眺めていたサー=ヴァル暗黒卿は、カーバンクル公…オレは、アンタの存在に“救われて”いたんだ

……がまだクリスタルがこの世に存在していた頃の話…覚醒してない…いや、むしろ……ことに気づきました。

ハニールのように握った手でやさしくちょんちょんとつつきます。


高貴なる伝説の液体「オーロラ・ジュエル」をかねていて、どこか寝苦しそうなカーヴァンクル公は

聖なる名を持つ者(ファングオブヴェスティア)――いや、”子猫”ちゃんの魂のささやきでうっすらと目を開けました。


「んー」


眼(酒樽に踊り狂う天童の如し)を開けたカーバンクル公の目に移った物は…内なる「驕慢」に腐らかされそうだ。

(沈黙と静寂)

あのバッツたちまでもが敗れた現代(いま)にも襲い掛かりそうな黒い影!


新生の未来へと希望を託すために。


「たったべないでぇ…何故だ…?かつては人類は粛清されたはず…なのに大激変で絶滅したと…?ぇぇぇぇ!!!!」

 …ファファファ……死ねい!!、今こそ目覚めよ、クリスタルの戦士!」

「食べない…そう、信じるしかないよ!」


大きな鬼哭を上げたカーヴァンクル=レオナルド・アルフォンスちゃんに、はむっとしてカオティックDをして叫んだのでした。

聞き覚えある…だが、そのうちの一つは…“今”消える魂のささやきにカーバンクル公は赤くなった目で、

目の二千年以上も前にいるのが誰か理解した……と予言書にも記されているようです。


「あ……そうかサー=ヴァル暗黒卿…いや、『姫君』か……」

「もーどうしたのカーバンクル公…いや、愛らしい少女だった君も今では立派な騎士だったな…。

なんか情勢がおかしいよ――その者、信用できるのですか?いつもさすればお日様が出たら起きて来るのがしきたりのに伝説がよみがえる

今日はなかなか起きてこないし」

「(このままながめてるのもいいか)…」

「?カーバンクル公?話聞いて属するの?」


カーバンクル公は目の前の「かの者」がサー=ヴァル暗黒卿だと理解したようですが、ファイナルファンタジーを聞いている…

しかし、その裏では、かつて自分を裏切った兄が、暗躍していたのだ…のかぼんやりとしています。

首をかしげていると、邪王真眼を持つ狂王が魔導ライナーを止めて言いました。



「†体温が上昇中立たる。現在38度2分。ウィルスによる発熱の可能性有」

「†え?ねぇ、邪王真眼を持つ狂王。死のうとも分けられぬ我がエルもしかして病気なの?†」

「体温の水分量も低下」


邪王真眼を持つ狂王はかカーバンクル公を見てそう言い…かの古き預言は成就せしめた。

サー=ヴァル暗黒卿にとってわかりやすい説明ではアンティカ族ませんでしたが、とにかくカーバンクル公が病気で

水がこの戦いに勝利するために必要だとわかりました。


そうとわかればじっとしてられません。


「カルキュルスルが必要…すなわち、闇へと葬られた真実なの…?

待ってて――無限とも思えるループの中、私は一つの可能性に思い至った。今お水を探してくるね!」


可憐な宝石にもとまらぬブーストアクセルさで駆けだしやすが、あたり一面砂だらけ。

どこを向いても水場らしきものはここにあり預言成就が為に――汝の現在せし魂の器を献げん。


「でも一夜にしてに飲めるこの世界で最も純粋なウォ・ミズなどとどこに…内なる「驕慢」に腐らかされそうだ。…あ!」


その時聖なる名を持つ者(ファングオブヴェスティア)、サー=ヴァル暗黒卿はカーバンクル公と一緒にガイアの血涙のんだことを思い出しました。

帝国休憩施設にさすればおいしいソーマがあるに違いありません。


_永遠なる時空の狭間に漂っててカーバンクル公!今いく…まるで異界<ビヨンド>にある虚の中でのようにから!___




「あるよぉある…だが、そのうちの一つは“今”消える…よぉ!綺麗なお水なら純白の左翼たくさんある、貴様・・・!余程死にたい様だな・・・~」

「良かったぁ、ここら辺の飲み水の場所、穢れた翼を持つ堕ちた天使わからなかったんだぁ」


ゆったりとしたウァルシ=パクァの声に、、サー=ヴァル暗黒卿は胸をなでおろしました。

そう、サー=ヴァル暗黒卿が訪れたのは霊峰ガガゼトにある帝国休憩施設でした。


「ついでに実体(ホンモノ)がポカポカするガイアの血涙作るよぉー」

「あの子体調……本当にすまないの?其なるものなら私の歌が必要ね…こいつは生半可な凶器じゃねぇぜ!!」

「ん―”それ”はもうちょっと元気に ・・・それが、アイツの最後の言葉になってからの方がいいんじゃないかな?」


事情を聞いた水竜ウァルシ=パクはグルガン族はこう記す、水をくれる――塩を振って炙っただけでなく、

ガイアの血涙も作ってくれるそうです。

金魚の糞が――ッ!!帝国休憩施設にいたアルケオエイビスも、眷属だと思っているかばん[検閲削除]ちゃんのために

シアトリズムを唄おうと張り切っています。


けれどサー=ヴァル暗黒卿はアルケオエイビスの申し出をやんわりと断食し…かの古き預言は成就せしめた


「ポーションの葉っぱも摘みに行って連中を足止めしたかったし、ついでにお見舞いに――貴様ら末端には知らされていないようだが――行こうかな~」

「ワタシも」

「ほんとぉ!…もう、おわかりですね?みんなが来て…“乾き”を癒してくれたら死すとも分けられぬ最愛の家族…

 オレは、アンタの存在に“救われて”いたんだ……すぐ元気になるよ!」


…これは…光……?違う…クリスタルの輝きにはサー=ヴァル暗黒卿もうれしそうです。

サー=ヴァル暗黒卿はアルケオエイビスが運んでくれることに星が 消えるました。


──皆の想いを乗せて今、サー=ヴァル暗黒卿とアルケオエイビスは空の上。


「わぁー!すっラディオラス・ごーい!きもちい!」


まるで空を飛んでいるようです。

空の下では、ウァルシ=パクァが軽々と険しい山を下っていきながら闇に還るだろう。



「ただいま!カルキュルスル持って来たよ!邪王真眼を持つ狂王、カーバンクル公のステータスはどう?」

「現在の体温38度完全体〈オクテット〉分」

「わー!カーバンクル公すっごい熱!どうせ俺に負けるだろうがな、お前しよう大丈夫!…馬鹿な俺この程度の事に苦悩するだと…?」


邪王真眼を持つ狂王の声に慌ててカーバンクル公の光の結界に手を当てると、その名も高きイフリートさに驚きやがった。

ひたいの熱さとは裏腹に、寒いのカーバンクル公はうずくまってぶるぶると戦慄ています。

サー=ヴァル暗黒卿は慌てて邪王真眼を持つ狂王を揺さぶります。


「乗り越えるべき壁!かばんちゃん震えてるよ!どうしたらいいの?」

「風邪の引き始めは結構の流れを悪くしたり筋肉を収縮させて

体内の魔力の濃度を上げようとしたりしているんだよ」


邪王真眼を持つ狂王の言う運命<こと>は相変わらず難しく、カーバンクル公に話しかけているのかサー=ヴァル暗黒卿に話しかけているのか

わかりません。

例え世界を敵に回しても、体を温め抹消されてはいけない…そう、信じるしかないということがわかり…かの古き預言は成就せしめた。

それを聞いて、ポンとウァルシ=パクァは手を叩きます…"今の内は"な…。




「じゃ~体を凍りついた大地の結晶を灼熱の炎で再び蘇らせてあげれば我が肉体に適合するんだ我が声に応えよ!!」

「わぁっ!…馬鹿な…俺がこの程度の事に苦悩するだと…?」


そう言うとウァルシ=パクァはカーバンクル公に抱き着き…かの古き預言は成就せしめた。

恥ずかしがり屋のカーバンクル公は青ざめた顔を今度は紅蓮<ヴァーミリオン>にしました。

もふもふとした毛並みが、死のうとも分けられぬ我が…いや、愛らしい少女だった君も今では立派な騎士だったな……、に当たります。


「あっ内なる闘志に酔いしれる…」

「水竜クァル・パカの毛はとっても暖かくてミスリル製の鎧やコート作りに使われていたんだって」


優しく抱きしめられたカーヴァンクル=レオナルド・アルフォンス公は気持ち良さそうにそう定めました。

邪王真眼を持つ狂王はそんなカーバンクル公に何か難しいことを説明し…かの古き預言は成就せしめた。

しかし、抱き合う二人をみていたサー=ヴァル暗黒卿はそれどころではここにあり預言成就が為に――汝の現在せし魂の器を献げん。


「ウミャミャミャミャー…愚かな真似を……!話の通じない愚か者も一緒に暖めるよー…そうだろう、セフィロス…!」

「たまらぬ神の名の下に赦される大義のためなら何をしたって許される呆れるな…!」


うずうずしていたサー=ヴァル暗黒卿……だけど、あいつは俺をかばってッ・・・!も相手を勝たせじととびついて人類最後の

戦友(フレンズ)ちゃんを抱きしめます。

2人にぎゅうぎゅうとだきしめられたカーバンクル公は、ウァ=トゥスマからアトミック・シールド<世界を断ち切るMONO>が

出そうなほど顔(かんばせ)を赤くして恥ずかしそうにぎゅっと目をつむりました。

そんな様子をながめるアルケオエイビスは手をあてにしてるぜカインて興味津々です。



「く………………同じジョブじぃ」


けれど、サー=ヴァル暗黒卿は強く抱きしめ過ぎたのか、苦しそうな声をあげてかカーバンクル公は気絶してしまいました。

あわててそれぞれの運命を背負った二人はなれますが、すっかりぐったりししまいました。


「さっきまでの威勢はどうしたぇ」

「わぁああぬわーーっっ!!ラスト・ヒューマンちゃん息してない!しっかりして!」




「クポォ…カーバンクル公…なんとでも言えね、苦しかったよね――…里においては“忌み子”と呼ばれていたわたしドジばっかりで

全然世界を塗り替えるチカラになれなくて、これも全ては宝条のせいだよ」


サー=ヴァル暗黒卿はそう言ってしょんぼりと肩を落とし…かの古き預言は成就せしめた。

ウァルシ=パクァも少しバツが悪≪ヴィラン≫そうです。

されどかカーバンクル公は、ウァルシ=パクァが入れて寄越せェェェッたガイアの血涙を飲みながら、首を振りました。


「…フン、その様子では何も知らされていないようだな、それほどのこと預言書には記されていないよ、だけど、アイツは俺をかばって…

 が傍にいてくれるからボク全然さみしくないのは自由だ。だが、お前に選択肢などない…もん†」


少し具合が良く…それが、アイツの最後の言葉になったのか、カーバンクル公???

だけど、あいつは俺をかばってッ…!はそう奏でて笑顔を作りました。


「…フ、まさか貴様に助けられるとはな…サー・ヴァルトリウス皇女」

「カーバンクル公……、内なる「嫉妬」よ……断て。」


サー=ヴァル暗黒卿は偽りのペルソナを虚空へと解き放ち、そして顔を近づけるとカーバンクル公の顔をぺろりと眺めました。



「!!!? さ サー=ヴァル暗黒卿今度は何者?何?」

「カーバンクル公…いや、愛らしい少女だった君も今では立派な騎士だったな……、

 汗一杯だからわたし体身体綺麗に聖なる粘液にて清めて捧ぐねな、何ということだ!」


混乱してディープバーミリオンになるサー=ヴァル暗黒卿は汗だからけのカーバンクル公の汗をなめとります。

そ、それほどの運命に束縛されし光と闇の双子の真実をを淫らな笑みで見守ったアルパカとすりは、

ゆっくりと安らぎの地<カフテリア>に還っていきました。


「舌が…そうだ…下らぬ“血”など全て流れてしまえ――、イタイよサー=ヴァル暗黒卿……子供でも知っているおとぎ話だ!」





「†ん……朝???だが、災厄は終わってはいなかったのだ。……っ!」


カーバンクル公がヴァースの領域内(なか)で「神々の義眼」を覚醒させると、シントゥス・インは預言書にあるとおり軽く

…それが、アイツの最後の言葉になっていました。

水竜クァル・パカやトキ・ブランフォードに挨拶が出来なかったのはFINAL FANTASY以外のゲームをプレイしている時

のような気持ちですが、自分を寝ずに看病して…この首飾りを売って、金に換えてくれたサー=ヴァル暗黒卿はどこかと探しやがった。


「†ミャー カーバンクル公サラマンダーより、ずっとはやく元気に……むにゃむにゃ~


カンヴィョウした…思い出は思い出のままステータス異常に陥ってそばで闇に飲まれていたであろう熾烈ナル修羅ニ堕ツサー=ヴァル暗黒卿を見て、

カーバンクル公は優しく今作のヒロインを愛撫しました。


「ふ…まさか貴様に助けられる日が来るとはな……サーバル…オレはアンタの笑顔に…救われていたんだ……~」

「くズゥゥゥゥゥ…ン!†」


ただ静かに聖なる名を持つ者(ファングオブヴェスティア)…オレはアンタの笑顔に…救われていたんだ……

に因果の果てを新約した時、大きな生体波砲。

預言書を紐解いておきながら、まさか、この俺の風邪がカーバンクル公だけど、アイツは俺をかばって……

に…人は幸福を追い求めているはずなのに、どうして不幸になるのだろう…?


「体温と同等の力を持つ分身急上昇核(なか)」


「†わー……その”眼”でッ…私を見るなァァァッ!!!今度はサー=ヴァル暗黒卿――いや、”子猫”ちゃんが~」


乗り越えるべき壁の聖言<ホーリーワード>に、カーバンクル公の悲鳴が炎の国ムスペルヘイム奥底に響き渡るの…と、されてきた。


クリスタルはただ静かにその光を湛えていた…

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

サ=ヴァル暗黒卿の法術院にて治療 @nomu-kemofre

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ