人探し

人探し。

それは探偵の仕事ではよくあることだ。

元の世界でも仕事の多くはそれでもあったし、

手法とすれば、住民基本台帳やSNSから居場所を割り出したり、足を使って探したりと方法はいくらでもある。

そしてそれらの情報をかき集めて、今ここに探し人がいます。と依頼主に告げればいいのだから。

こちらの世界でもそれなりに人探しの依頼が舞い込んでくるのだが、なんとも元の世界とでは調べる手段が少なすぎる。

SNSのようなインターネットで探せるわけではないし、住民基本台帳のようなものがこの世界にはない。

つまりは足を使っての聞き込みしかないのだ。

そしてもっと面倒なのが魔法だ。

なんでも姿形、声色すら変えてしまう魔法や魔法道具があるということを知らされた時には人探しの依頼をされても断る事を決意したぐらいだ。

そんなしょっちゅう姿を変えられては探せるものも探すことができない。

であれば、なぜこの依頼を受けたのかと疑問に思う者もいるだろう。

単純だ。

私はたとえ姿形が変わろうが探し他人を探せる方法を入手したからだ。

ともあれ、魔法で姿を変えてる人間を探す事自体は稀だ。

夫婦喧嘩、恋人喧嘩で追われている男だとか、それに匹敵する以上の犯罪を犯した者くらいだろう。

今回のケースで言えば、そう言ったこともないとは思う。

しかし、決めつけは良くない。

ある探偵も言っていただろう。

〈固定概念は推理を迷路へ誘う〉

あれ、違ったかな。

〈決めつけは推理を迷子にさせる〉

だったかな。

いやまあ細かいことは置いておこう。

つまりは推理を迷わす、バク的な要素に他ならない。

決めつけるにしても推理の終わった後でなければならないのだ。

そうこう考えているうちに目的地の目前までたどり着いた。

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異世界探偵 柊朝嗣 @Inao

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