第15話

わたくしの仕えるお嬢様は…


ソファでなにやら珍しく夢中になっていた…


「あの、何をしてらっしゃるのです…?」

「決まってるじゃない!今流行のげぇむよ!」


発音…≪げぇむ≫ってなんだげぇむって…

いや、取り乱すな…お嬢様がゲームをすることにそこまで驚かなくてもいいんだ!

横から覗きこんで見てみると…


「くっ、また穴に落ちた…」


初!心!者!

「お嬢様…ゲーム歴はいかがほどで…?」

「え、一週間」


当たり前でしょとでも言いたげな表情で見てくる…嘘だろ…(ゲーム歴十年)

しかもロールプレイングゲームだ…無理だろ


「くっ、どこで◯ドアがあればゴールまで行けるのに…」

「どこで◯ドア!?」


いや、ふざけすぎでしょ…まさか本気でこんな楽勝なステージを…?


「え、お嬢様、その動きは…?」

「動き…?ジャンプしたら手が飛ぶの!どうすればいいのよ、これ!?」


はっ…!?なんていう反射神経の悪さ…これだと一年かかってもクリア出来ない…!


「ねぇ、金でどうにかならないかしら…」

「金!?」


このお嬢様…今まで金でどうにかなったのか!?でも努力ぐらいしてるよな…


「…爆弾でもあればこのステージごと吹っ飛ばせてこの…動く障害物?も消えるのに…」

「そんなものありませんしやめてください」

「じゃあ穴埋めるとか…」

「そしたら面白くないです!」


あり得ない…破壊的な発想しかない…


「真面目にやりましょうよ!?」

「ちぇっ、隼人じゃあやりなさいよ」

「了解しました、クリアしてみせます」


あー、懐かしい…ここはこうして…


「はい、終わった。」


言うとお嬢様は…麗奈は肩をプルプルと震わせて、顔を真っ赤にし、つかつかと近づいてこれば


「ふ、ふ、ふざけてんじゃないわよぉぉぉおおおおお!!」

「お嬢様こそこんな楽勝なステージに手こずっているんじゃありませんっっっっっ!!」

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