第14話

豪華な豪邸、ふかふかの椅子に座るのは…


ふふふふふふふ、ふふふふふふふふふふふふふふ!!ついにこの時が来たわ…!!


「すみませーん、修理終わりましたー!」

「お疲れ様、帰っていいわよ!」


ふふ、やっとだわ…

「お嬢様、大げさです。ただエアコンを修理してもらっただけでしょうに…」


冷たくいい放つ隼人…じゃなくて瑛。


「あー、執事の癖に、なんっちゅう言い方…それが主人に対する発言なわけぇぇ!?」

「お言葉ですが、わたくしの主人はお嬢様のお父様のはずですが。」


くっ、この執事はあーいえばこういう…まぁ、元は同級生だし?そういうところもあるけど?


くるっと振り返ってみる。…こいつ記憶ないときからこんな対応だったよな…?

いや、まあ仕方ないし?私は心が広いからそんなこと気にしないけど?


「お嬢様、前よりちょっと丸く…じゃなくてふくよかとしてきましたね?」


フラグ回収…こいつ許さん!!!


「あ!ん!た!いい加減にしろぉぉぉぉぉぉ!!!」


瑛の耳を引っ付かんで、大声で叫ぶ。あー、スッキリした…


「馬鹿、耳壊れる!!」


耳をふさいで瑛は怒り出す。いや、瑛が悪いんだけど!?((自分が悪いとは思わない

はー、記憶戻ったから関係が少しでも変わるかと期待した私だったのに、全然変わらないじゃない!!


「暑いですし、何処か出掛けましょう。」

「え、買い物付き合ってくれるの?でも買うもの私無いわよ」


言うと瑛はふっ、と笑い、


「馬鹿言ってるんじゃないよ、映画観に行きたいって言ってたじゃないか。」


いつもと違う、執事じゃない瑛のしゃべり方。懐かしい、そんな安心感にとらわれる。


「そうね、久しぶりに行きたいなぁって…さぁ、行くわよ!車を出してちょうだい!」

「はい、ただいま」


いつもの調子に戻り、準備を始める瑛。この生活が永遠にあればいいのに…

でも私は知ってる。この生活が、いきなり終わりが来るかもしれないって。だから今の、この瞬間を大事にする。瑛が急にいなくなった、あの頃がまた来るかもしれない。次は、永遠に…だから


「今を、楽しまなきゃね。」


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