女騎士は世話好きだった

「ほぅ、マコトは異世界人なのか。」

「驚かないんですか?」

「たまにそう言う話を聞くからな。」

 嘘ついてもしょうがないんで『この世界の人間ではない』て話したら、前の会話になりました。

 どうやらたまに俺みたいな奴がいるらしくて、所謂『チート』みたいな力を持っているらしい。ただ、それには条件があって、神様や王族とか特別な人達に召喚されないとダメらしい。

 当然、俺は召喚されてないし勝手に来ちゃってる訳だからチート能力なんて無い、はずだ。て言うか有ったら困る。俺はのんびりゆったりな人生を送りたいからだ。

「そう言えばルナーシャさんは冒険者なんですか?」

「正確に言えば私はこの国の騎士団に所属している。たまに腕試しにギルドの依頼を受けている。さぁ、着いたぞ。」

 ルナーシャさんと話している間にギルドに到着した。

 中に入るといかにも冒険者て言う厳つい感じの方々がおります。

「まずは受付で冒険者登録をするんだ。そこで『属性』が決まる。」

 それは本に載っていたからわかる。『剣士』、『戦士』、『魔導士』、『賢者』等がある。

 まずは受付に向かう。

「すみません、冒険者登録したいんですが」

「あっ、はいっ!それではこちらの紙にお名前と年齢を書いてください。」

 渡された紙に名前と年齢を書いた。

「では、『鑑定』させてもらいますのでちょっとお待ち下さい。」

 受付のお姉さんに言われて近くの椅子に座る。なんだか病院とかハローワークとかの待ち合わせみたいで不安がある。

 ルナーシャさんは知り合いらしい人達と話をしているみたいだ。

「カツラギマコト様、お待たせしました!」

 どうやら終わったみたいだ。

「こちらがギルドガードになります。他の街のギルドでも使えますから無くさないでくださいね。」

 カードには文字らしき物が書いてある。

「受付は終わったみたいだな。」

 ルナーシャさんがやって来た。

「はぁ、ただ何て書いてあるかわからないんで。」

「ふむ、読んでやろう。」

 ルナーシャさんがカードに書いてある文字を訳してくれた。


 カツラギマコト 男

 属性 剣士レベル1

 武器 無し

 防具 無し

 スキル 無し


「・・・・・・見事な程に無いな。」

「これからだ。経験を積んでいけばレベルも上がっていく。」

 ルナーシャさん、本当優しいわ。涙出そうだよ。

 まぁ、チートじゃない事だけはわかったのでホッとしている。  

   

 

 

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ドアを開けたら異世界に繋がっていた こうじ @hirasaku37

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