不動産屋の説明

 後日

「いやぁ、バレちゃいましたかぁ。」

 例の不動産屋に説明をしてもらう為にやって来たら、不動産屋はそりゃあもうあっさりと認めた。

「まぁ、最初は信じられない、と思いますがね。理由はわかりませんがあの部屋だけ異世界、『バンドリア』て言うらしいんですが繋がっているんですよ。」

「そう言う大事な事をちゃんと説明してくださいよ・・・・・・。」

「すいませんね。部屋が部屋ですから限られた方しか薦め無いんですよ。で、実は家賃の払い方も特殊でしてね。向こうの通貨でも払える事が出来るんですよ。」

「え?それって向こうの世界でも暮らしても良い、という事ですか?」

「えぇ、勿論です。薦める以上はちゃんとシステムを確立しておかないといけませんからね。」

 家賃は大金貨だったら1枚、金貨だったら2枚、銀貨だったら5枚、銅貨だったら10枚だそうだ。

 後、不動産屋から『バンドリアの歩き方』なる小雑誌をもらった。


 部屋に戻ってきた俺は早速小雑誌を読んでみる。

「本当にファンタジーの世界なんだなぁ・・・・・・。」

 本を読みながら、扉を見る。

 魔法や剣が使えて、エルフや獣人、魔王や天使がいる世界。

「昔はよくテレビゲームとかでやったなぁ・・・・・・。」

 俺はこういうファンタジー物にハマっていた時期があり、自分で書いた事もある。

 ・・・・・・所謂黒歴史て奴だけどな。

 だが、それを体験出来るなんて滅多に無いチャンスじゃないか!?

 それに、一種のストレス解消にもなるし。

 出会いだってあるかもしれない!

 よしっ、俺はこの生活をおもいっきり満喫してやるっ! 

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